第83回ゴールデン・グローブ賞のレッドカーペットベストルックを総まとめ
黒と白が主役の一夜に
現地時間2026年1月11日(日)にハリウッドで開催された第83回「ゴールデングローブ賞」レッドカーペットは、抑制の美学が際立つ一夜となった。ここ数年のカラフルで華美な流れとは一線を画し、今年のセレブリティたちはクラシックなブラック&ホワイトのパレットを選択。色彩ではなく、世界最高峰のメゾンによるクラフツマンシップそのものにスポットライトが当てられており、モノクロームという共通コードのもと、シルエットや素材感、テーラリングこそがこの夜の真の主役となった。
メンズルックでは、モダンなタキシードが建築的な精度で再定義された。ティモシー・シャラメ(Timothée Chalamet)は、ロックンロールのエッジとレッドカーペットのフォーマリティを融合させた〈Chrome Hearts(クロム・ハーツ)〉のカスタムルックで存在感を放ち、ジェイコブ・エロルディ(Jacob Elordi)は〈Bottega Veneta(ボッテガ・ヴェネタ)〉の完璧なドレープが効いたスーツでタイムレスなクールさを体現。コールマン・ドミンゴ(Colman Domingo)は〈Valentino(ヴァレンティノ)〉で洗練されたスタイルを更新し続け、ダムソン・イドリス(Damson Idris)とマイケル・B・ジョーダン(Michael B. Jordan)は、〈Prada(プラダ)〉が誇るシャープでミニマルなシルエットの完成度を改めて証明した。〈Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)〉を纏ったジョー・キーリー(Joe Keery)もまた、素材の違いによる繊細な表情でブラックタイを格上げしてみせた。
ウィメンズも同様に、研ぎ澄まされた二元的エレガンスを披露。LISA(リサ)は〈Jacquemus(ジャックムス)〉のカスタムルックで歴史的なインパクトを残し、アリアナ・グランデ(Ariana Grande)は〈Vivienne Westwood(ヴィヴィアン・ウエストウッド)〉のコルセット構造によるドラマティックな造形美を選択。ジェナ・オルテガは〈Dilara Findikoglu(ディラーラ・フィンディコグルー)〉でゴシックなムードを強調し、Charli XCX(チャーリー・XCX)は〈Saint Laurent(サン・ローラン)〉でパリジャンなシャープさを添えた。スキャパレリを纏ったテヤナ・テイラー(Teyana Taylor)の前衛的シュルレアリスムから、マチュー・ブレイジー(Matthieu Blazy)による〈Chanel(シャネル)〉を着用したセレーナ・ゴメス(Selena Gomez)のプレイフルなクラシシズム、トム ブラウン(Thom Browne)のテーラリングを軽やかに着こなしたオードリー・ヌナ(Audrey Nuna)まで──ブラック&ホワイトは決してベーシックではなく、ファッションを“ハイアート”へと昇華させる究極のキャンバスであることを、この夜は雄弁に物語っていた。


















