藤田嗣治の軌跡を辿るアジア最大規模のコレクションが香港に集結
「Sotheby’s」による「The Foujita Lexicon」が9月22日(火)より開催する
「Sotheby’s(サザビーズ)」が、藤田嗣治の作品のみを扱うアジア初の単独アーティスト・オークション「The Foujita Lexicon: Works from the Lewis Collection」を9月28日(月)、展覧会を9月22日(火)から29日(火)まで香港の『Sotheby’s Maison』にて開催する。
英・ロンドンで開催された「Masterpieces from The Lewis Collection」の記録的な成功に続く今回のオークションでは、著名なルイス・コレクションから藤田嗣治の傑作15点が出品される。総落札予想額は1,780万〜2,650万香港ドル(約3億5000万〜5億2000万円)におよび、アジアでこれまでオークションに出品された藤田作品のコレクションとしては、最も包括的なラインアップとなる。
2026年に生誕140周年を迎える藤田。本コレクションでは、パリで活躍した1920年代から晩年に至るまで約60年にわたるキャリアを、さまざまな地域やメディアを横断して紹介する。1920年代のパリ・モンパルナスで頭角を現し、アメデオ・モディリアーニ(Amedeo Modigliani)やパブロ・ピカソ(Pablo Piccaso)らと同じアーティストコミュニティで活動した藤田は、シャイム・スーティン(Chaïm Soutine)、アンリ・マティス(Henri Matisse)、フェルナン・レジェ(Fernand Léger)らとも交流。日本とヨーロッパの芸術的伝統を融合させた独自の表現によって、20世紀美術を代表する存在となった。
また、藤田は東洋と西洋をつなぐ「文化的な架け橋」とも評され、セルフポートレートや女性のヌード、猫、パリの日常風景など、ひと目で藤田と分かる独自のスタイルとモチーフを確立。今回のルイス・コレクションは、そうした藤田の芸術的遺産を幅広く網羅する。
中でも注目したいのが、1924年に制作された“Mon portrait”。藤田がパリで名声を高めていたモンパルナス時代のセルフポートレートで、予想落札価格は80万〜120万香港ドル。机に向かう藤田の周囲には、東アジアの書道用具と西洋の持ち物が並び、日本とヨーロッパという自身のバックグラウンドを象徴する構成に。ボウルカット、丸眼鏡、パイプという、1920年代のモンパルナスで知られる藤田のイメージを決定づけた姿が、シルクの上に繊細な線と余白を生かして描かれている。
さらに、1949年にニューヨークで制作された“Le rêve(Hommage à La Fontaine)”も大きな見どころのひとつ。予想落札価格は400万〜600万香港ドル。ジャン・ド・ラ・フォンテーヌ(Jean de La Fontaine)の寓話から着想を得た本作では、狐の家族が巣穴で穏やかに眠る姿が描かれている。同作は藤田が1949〜50年のアメリカ滞在中に制作した、現存が確認されている4点の狐の絵のうちのひとつ。4点のうち2点は現在日本の美術館に所蔵されており、個人コレクションとして残る作品は極めて希少だという。穏やかな家族の巣穴の上には、ジャン=フランソワ・ミレー(Jean-François Millet)の“Gust of Wind”に着想を得た、嵐の中でもがく狐の姿も描かれており、「避難」「調和」「再生」といったテーマを浮かび上がらせている。
このほか、1932年制作の“Chatte et chaton”(予想落札価格200万〜300万香港ドル)、1933年制作の“Madeleine endormie”(30万〜50万香港ドル)、1927年制作の“Nu assoupi sur la table”(200万〜300万香港ドル)などもラインアップ。
30年以上にわたって築き上げられてきたルイス・コレクションを通して、藤田嗣治のキャリアを多角的に俯瞰できる今回の「The Foujita Lexicon」。藤田の生誕140周年という節目に、20世紀美術史に名を刻んだアーティストの作品群が香港に集結する。
「The Foujita Lexicon: Works from the Lewis Collection」
会場:『Sotheby’s Maison』
住所:1/F, Landmark Chater, 8 Connaught Road Central, Central, Hong Kong
会期:9月22日(火)〜29日(火)(オークションは28日(月)開催)
時間:月〜土 11:00-19:00、日・祝日 11:00-18:00(29日は12:00まで)
