AI の作成した作品がファインアートコンペで優勝も他アーティストから怒りの声噴出
AI 画像生成ツール『Midjourney』というソフトを使用して作成

今年8月、コロラド州フェアのファインアート・コンテストで、Jason M. Allen(ジェイソン・M・アレン)が、新進アーティスト部門の“デジタルアート/デジタル操作写真”で自身の作品 “Théâtre D’opéra Spatial”を出品し、他の18点のアートを抑えて優勝し300ドル(約4,300円)の賞金を獲得したのだが、この受賞作が、インターネット上で不評を買っている。
今回の作品は、AI画像生成ツール『Midjourney』というAIソフトを使用して作成さた。このツールは、キーワードを入力すると画像が生成され、そのファイルを言葉を変えて自分好みに調整することができるという。
Jasonは、この作品がコンテストのルールを逸脱していないこと、照明や色の調和を調整するなど、プロンプトに何度も手を加えながら、80時間以上かけて最終的に3つの画像の作成を900回も繰り返したことに誇りを持っているが、ある『Twitter(ツイッター)』ユーザーは、「ロボットをオリンピックに参加させないのと全く同じ理由で、これは最悪だ」とツイートしている。また別のユーザーは、「これは文字通り“デジタルアート作品を作るためにボタンをいくつか押した”という定義だ」とツイートするなど、否定的な意見が噴出している。
しかしJasonは、AIを使ったアートが可能かどうかという議論が、これほどまでに注目を集めることを嬉しく思っているようだ。「技術やその背後にいる人々を嫌うのではなく、それが強力なツールであることを認識し、それを良い方向に利用することで、私たち全員が不機嫌になるのではなく、前に進むことができるのです」と述べられている。