藤原ヒロシが再び MAMMUT と作った命を守るためのプロダクト|Interviews
〈fragment〉が新型アバランチビーコンBarryvox S2に加えたデザインとは
藤原ヒロシ率いる〈fragment(フラグメント)〉と、スイス発のアウトドアブランド〈MAMMUT(マムート)〉が再びタッグを組んだ。
両者が初めてコラボレーションしたのは2023年。その主役に選ばれたのは、ジャケットでもバッグでもなく、雪崩に巻き込まれた人を捜索するための安全装置であるアバランチビーコン “Barryvox(バリーボックス)”だった。藤原ヒロシ自身、長年バックカントリーで携行してきた、文字通り命に関わるプロダクトだ。
あれから約3年。今回登場する“Barryvox S2 FRGMT Edition”は、新型 “Barryvox S2”をベースに、〈fragment〉を象徴するブルーとホワイトを採用。“FRGMT x MAMMUT”のスペシャルロゴを配し、起動時のアニメーションにも特別仕様を施した。一方で、基本性能には手を加えていない。そこには、完成された安全装備だからこそ“変えない”という選択がある。
「僕的には2回目っていうより、そのまま延長上なイメージ」と話す藤原。新型に何を加え、何を変えなかったのか。そして、雪山を取り巻く環境が変わりつつある現在、彼自身はどのように雪と向き合っているのか。3年前のインタビューに続き、話を聞いた。
Hypebeast:前回のMAMMUTとのコラボレーションから約3年が経ちました。再びBarryvoxを作ることになった経緯から教えてください。
藤原ヒロシ:僕的には2回目という感じはあまりなく、そのまま延長上にあるイメージです。ただ、前のものとは違う新しいBarryvoxが出たから、というテーマはありますよね。僕はビーコンをいつも新しいものに買い替えたいタイプなので、ちょうどいいお誘いで、ちょうどいいタイミングだなと思いました。
今回は新型のBarryvox S2がベースです。
軽くなって、薄くなって、音声にも対応しているみたいですね。僕もまだ実際には使っていないんですけど。
デザインのアプローチに関しては、どのように考えたのでしょうか?
前回と同様、色を変えるぐらいしかできませんが、そもそも機能的にデザインされているはずなので、命に関わるものをあれこれ触るようなものでもないと思います。その中で、できる範囲のことをやらせてもらいました。
触れられる部分が限られたプロダクトをデザインする面白さはありますか?
デザインの面白さというより、僕も冬になると絶対に使うものなので。やっぱり自分が使うものに自分のロゴを入れたりできるのは、うれしいですよね。
今回、あえて変えなかった部分は?
もちろんシェイプだったり、ボタンの位置だったり、基本的には変えていないし、変えるべきではないと思っています。変えたのは色ですね。〈fragment〉の色というか、ブルーに変更しています。
通常モデルはブラックを基調にしていますが、今回はホワイトとブルーなので、印象がかなり違います。少し昔のゲーム機のような雰囲気も感じました。
白だからね。任天堂感というか(笑)。懐かしい感じはします。でも、例えば全部真っ黒にするのもいいんだけど、ボタンがちゃんと見えなきゃいけないとか、そういうレギュレーションがあるんです。これは白だったらブルーも目立つ。そういうことは結構あります。単におしゃれだからと真っ黒っていうのはよくない。
fragmentというとブルーのイメージがありますが、そもそもなぜブルーなのですか?
分からないです(笑)。青が好きでいろいろ使っていたら、みんなからも青にしてほしいという要望が多くなって、青になっていった感じですね。
前回に続き、“FRGMT x MAMMUT”のロゴにはマンモスが使われています。fragmentのロゴにキャラクターを載せるのも、少し珍しいですよね。
でもキャラクターというか、本当のロゴですもんね。普通にロゴを並べるよりも、マンモスが出てきてくれるのはいいなと思います。
今回、MAMMUTはコラボレーションを通じて、アバランチビーコンの重要性をより多くの人に伝えていきたいとしています。ヒロシさん自身、初めてビーコンを使ったのはいつ頃だったのでしょう?
最初にアラスカに行ったときですね。もう30年くらい前になるかな。みんなで森の奥に隠し合って、それを探しに行くみたいな、そういうトレーニングを何回かやったことはあります。そこで初めて使って、「こういうのをちゃんと使わなきゃいけないんだ」と思って、買って。それから毎年持っていますね。一般的には山に行くとき以外は使わないと思うんですけど、昨今はバックカントリーも人気だし、ニセコとかでもゲートによってはビーコンを持っていないと入れなかったりするので。
3年前のインタビューでは、「Barryvoxの電源を入れると、ちょっと身が引き締まる」と話していました。その感覚は今も変わりませんか?
そうですね。朝起きて、行くときにね。一応テストもするんですけど、上に登ってからもガイドさんが、みんなちゃんとオンになっているかチェックするんです。そうすると「あ、雪山に行くぞ」という感じにはなりますね。
この3年間で、雪山との付き合い方に変化はありましたか?
滑る回数は減ったかもしれないですね。グローバルウォーミングもあって、いい雪を当てるのが難しくなってきました。シーズンも短くなっているし。だから行っても滑らないときがあったりする。行くのは行くし、雪山には行きたいと思っているんですけど、コンディションが良くないと滑らない。昔みたいに毎日何本も滑るというよりは、1日に何本か、良いのを滑れればいいという感じになっています。
それでも毎年、冬はかなりの頻度で山へ?
タイミングが空いていて、雪があれば週1日ぐらいでは行っていますね。青森も行くし、北海道も行く。あと新潟が多いですね。新潟は車で「じゃあ明日行こう」みたいな感じで行けるので。関温泉も今でも行っています。
今回はBarryvox S2 FRGMT Editionの発売に合わせて、フーディーやクルーネックといったアパレルも展開されます。
ロゴを使って、という感じですね。どちらかというとBarryvoxを売るためのプロモーションのひとつです。
ちなみにMAMMUTはもともとロープメーカーとして始まったブランドです。
ロープ、作ればよかったね(笑)。何かでロープを使うときは、〈MAMMUT〉に頼もうかな。頭の中にインプットしておきます。
“Barryvox S2 FRGMT Edition”の発売は2026年10月15日(木)を予定(88,000円)。それに先駆けて、大規模展示イベント マムート・イノベーション 2026での先行発売も予定されている。他地域の発売日は追って発表。発売にあわせて、〈fragment〉監修によるフーディ(20,900円)とクルーネック(17,600円)の2型も展開される。取り扱い店舗やその他詳細は、〈MAMMUT〉公式サイトをチェック。(※本文中の価格は全て税込)
「マムート・イノベーション 2026」ポップアップ情報
開催期間:2026年10月1日(木)〜10月4日(日)
住所:マムート 新宿(東京都渋谷区千駄ヶ谷5丁目33番6号 フロントプレイス南新宿1F)
営業時間:
10月1日(木)11:00~18:30
10月2日(金)11:00~20:00
10月3日(土)10:00~18:30
10月4日(日)10:00~20:00
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