Jordan Brand が Air Jordan 1 High のリリース数を2027年以降大幅縮小か
ブランドを象徴する1足が市場から姿を消す可能性も?
〈Jordan Brand(ジョーダン ブランド)〉は2027年春以降、Air Jordan 1 High(エアジョーダン 1 ハイ)のリリース数を大幅に削減するとの噂が浮上した。彼らは今後、Air Jordan 1 Highの展開をより限定的なものとし、その一方で他のレトロモデルや新たなフットウェアイニシアチブへ注力していく方針という。もしこの噂が本当であれば、過去10年以上にわたり同ブランドの中核を担ってきたモデルだけに、スニーカーシーンにおいて大きな転換点となりそうだ。
もっとも、この流れはすでに始まっていたとも言える。2026年のAir Jordan 1 Highは例年と比べてリリース数が控えめであり、〈Jordan Brand〉が段階的に供給量を調整していたことを示唆している。同様の戦略は、市場への過剰供給が指摘されてきたDunk(ダンク)やAir Force 1(エアフォース 1)にも採用されている。
かつてAir Jordan 1 Highは〈Jordan Brand〉のレトロカテゴリーを牽引する存在として、数え切れないほどのカラーウェイやコラボレーション、スペシャルエディションを展開してきた。多くのヒット作を生み出した一方で、リリース頻度の増加によって一足ごとの希少性や期待感が薄れてしまったことも否定できない。同ブランドは近年、この状況を打開するための施策にも取り組んできた。2025年にはAir Jordan 1の歴史を象徴するストーリーに焦点を当てた「Banned」キャンペーンを展開。Air Jordan 1 High ‘85 “Bred”の限定販売をはじめ、スーパーボウルでの広告展開、全米各地でのストアイベント、さらにはシカゴのユナイテッド・センター前に設置されたマイケル・ジョーダン(Michael Jordan)像の足元を一時的に覆い隠す演出まで実施された。これらはマーケティング施策としては大きな話題を呼んだものの、Air Jordan 1そのものへの需要を根本的に押し上げるまでには至らなかったとみられている。
供給量を減らすことは需要回復の有効策として語られることが多い。しかし、単純に販売数を絞るだけで消費者の関心が戻るとは限らない。Air Jordan 1 Highの価値を再び高めるためには、通常ラインの展開そのものを見直し、本当に意味のあるタイミングだけでリリースするような抜本的な戦略転換が必要になるかもしれない。例えば、ホリデーシーズンの目玉モデルやオリジナルカラーの復刻、あるいはブランドに新鮮なエネルギーをもたらす厳選されたコラボレーションに限定することで、かつての特別感を取り戻せる可能性がある。また、価格設定も無視できない課題となっている。Air Jordan 1 High ‘85の定価は200ドル近い価格帯へと上昇しており、現代的なパフォーマンステクノロジーをほとんど搭載しないレザーベースのモデルに対して、消費者の反応は厳しい。彼らは以前にも増して価格に見合う価値を求めるようになっているからだ。
Air Jordan 1は、スニーカー史において最も重要なモデルのひとつであり、その文化的価値が失われることは当面ないだろう。〈Jordan Brand〉が直面している課題は、このモデルの重要性を改めて説明することではない。かつて1足ごとのリリースがなぜ特別だったのかを、改めて消費者に思い出させることだ。その答えは、あえて市場から姿を消すことにあるのかもしれない。




















