伊の Alessi からヴァージル・アブローがデザインしたケトルがリリース

家庭用品とキッチン用品のデザインプロダクト・カンパニーとして世界的に評価の高いイタリアの「Alessi（アレッシィ）」は、Virgil Abloh（ヴァージル・アブロー）とのコラボレーション第2弾として、ブランドの最も象徴的な製品のひとつであるケトル“9093”をアレンジしたモデルを発表した。

この作品は1985年にアメリカ人建築家　Michael Graves（マイケル・グレイヴス）が手掛けたもので、どこにでもある家庭用品をデザインすることでより多くの人々に夢を与えたいと考え、「Alessi」の代表的なプロダクトのひとつを生み出した。この作品は商業的に成功しただけでなく、素材の組み合わせやポップな色使い、コミカルな注ぎ口のホイッスルが特徴で、デザイン史に残る代表的なオブジェとなっており、今回のバージョンアップではこれらの特徴に着目し、Virgil自身のコンセプトに基づいてアップデートされている。

Virgilのビジョンは彼が設立したロンドンのデザインスタジオ「Alaska Alaska（アラスカ・アラスカ）」が引き継ぎ、この新バージョンのケトルを“グローバルな共鳴”と表現している。水色とワインレッドだったハンドルは鮮やかな紫色に、注ぎ口のホイッスルはスラムダンクをするバスケットボール選手に変更されている。「Alaska Alaska」の広報は声明で「このデザインは、既存のデザイン文化の中で見落とされがちな様々なフレームを参照するというVirgil特有のアプローチを踏襲しています」と説明している。

「Alessi」が自社のアイコン的製品を再解釈するのは初めてのことで、CEOのAlberto Alessi（アルベルト・アレッシ）は「VirgilはAlessiのアイコンのいくつかを再解釈したいとの考えを我々に示し、まずはこのケトルが最適だろうと考えました。大衆的な製品を作りたいというVirgilの思いは、1980年代にMichael Gravesが“新しいアメリカ的デザインを作るのが目標だ”と語ったときの夢と似ていたからです」とプロジェクトの回想を語った。

このモデルには新しい番号が与えられ、Gravesモデルが“9093”と付けられたのに対し、Virgilモデルは“3909”の品番を冠している。このモデルは限定で9,999本が発売される予定で、日本での発売はアナウンスされていないが「Alessi」の本国のウェブサイトでは190ユーロ（約27,000円）という価格で既に公開されているので、気になる方はチェックしてみよう。