82歳の米実業家が SpaceX による最初の月周回旅行へ
「80代で月旅行ができれば、あらゆる年代の人たちに宇宙の夢が開ける」

Elon Musk(イーロン・マスク)がCEOを務める「SpaceX(スペースX)」が、史上2番目となる民間月周回旅行の最初の乗客2名を発表した。
「SpaceX」は、最初の乗客として82歳の米エンジニア兼実業家 Dennis Tito(デニス・チトー)と東京出身の妻 Akiko Tito(アキコ・チトー)、その他10名の乗客が巨大ロケット Starship(スターシップ)に乗って月を周回する旅へと飛び立つと発表。Dennisは、世界で初めて国際宇宙ステーションを訪れた民間宇宙飛行士として2001年に世間の注目を浴びた人物で、妻のAkikoはStarshipで月を周回する最初の女性の1人となるとのこと。ちなみに、Starshipに搭乗した乗客たちは、1週間にわたる月周回の旅で月面から124マイル(約200km)のところまで近づくことができるそう。
このミッションは、Starshipにとって、12月実施予定の”Polaris”計画、前澤友作主催による初の正式な民間ミッション “dearMoon”に次いで、3度目の有人飛行ミッションとなる。10月12日(現地時間)に開かれた電話会見でTitoは「80代で月旅行ができれば、あらゆる年代の人たちに宇宙の夢が開ける」と発言しているが、現在「SpaceX」は、米テキサス州ボカ・チカにある打ち上げ施設でStarshipの開発を進めている最中であり、Elon Muskは第1段のブースターと第2段の宇宙船からなる2段式Starshipの軌道飛行試験の年内実施を目指している。そのため、近いうちにStarshipの有人飛行が認められることはない模様。『Ars Technica』によると、夫妻は生理検査と認識力テストをすでに合格しており、少なくとも現時点では宇宙に行ける状態と言えるそうだが、場合によっては90代での月旅行となってしまう可能性も無きにしも非ずのようだ……。
Dennis and Akiko Tito are the first two crewmembers on Starship’s second commercial spaceflight around the Moon → https://t.co/z2Z9iVGw8x pic.twitter.com/07RHJlb6Dc
— SpaceX (@SpaceX) October 12, 2022