世界最大級のオンライン取引市場 StockX が2021年のトレンドレポートを発表

『HYPEBEAST』の読者にはおなじみのオンラインマーケットプレイス『StockX（ストックX）』が、今年の市場に影響を与えた商品、ブランド、人物、出来事を総括した2021年のトレンドレポートを発表した。

今や購入者数が650万人を突破し、世界最大級の取引市場となった『StockX』。スニーカーのリセール価格や市場動向などの情報を提供するデータサイト『CAMPLESS（キャンプレス）』を前身として誕生したこともあり、当初はスニーカーやストリートウェアを中心としていたが、次第にフィギュアやトレーディングカード、コミック、ゲームといった周辺カルチャーも取り扱うようになったことで、数年で大きな成長を遂げている。そんな『StockX』が公開した2021年のトレンドレポートでは、今年注目すべきトピックの数々が取り上げられている。一年の総まとめとして、ぜひ本レポートを一読していただきたい。

快適性を重視したフットウェアの取引が急増
新型コロナウイルス感染症（COVID-19）のパンデミックが拡がった2020年には、サンダルのような快適さを重視するフットウェアが徐々に市場を席巻し始めた。2021年にはそのトレンドがさらに加速し、スニーカーに迫るような勢いで取引が急増することに。
・〈Crocs（クロックス）〉の取引数が35,000件を突破（過去12カ月間）
・〈YEEZY（イージー）〉SLIDEの取引数が前年に比べ+250％増加
・〈BIRKENSTOCK（ビルケンシュトック）〉のコラボレーションの取引数が前年に比べ+300％増
・〈YEEZY〉FOAM RUNNERの取引数が前年に比べ+3,400％増加

ゴルフ関連商品への高い注目度
2011年は新しいゴルフシューズとそのコラボ商品の売上が飛躍的に向上し、特にAir Jordan 4とDrake（ドレイク）の手掛ける〈NOCTA（ノクタ）〉x〈Nike（ナイキ）〉のアイテムが高い注目を集めることに。今年発売された下記の5つのゴルフ関連商品は、1万件以上の取引があった。
・Air Jordan 4 Golf White Cement
・Air Jordan 4 Golf Military Blue
・Air Jordan 4 Golf Metallic Green
・〈Nike〉x〈NOCTA〉Crewneck
・Air Jordan 4 Golf ACG

ノスタルジックな想いへの回帰
人々が子供の時に影響を受けたトレーディングカードや「LEGO®（レゴ）」のようなノスタルジックな商品の取引数が大幅に増加。また、Air Force 1のような王道モデルの復活は、市場のノスタルジーへの回帰が一因となっている模様。
・〈Nike〉Air Force 1 Lowの取引数が10万件を突破（過去12カ月間）
・「LEGO®」製品の取引数が15,000件を突破（過去12カ月間）
・各種トレーディングカードの取引数が前年に比べ+740%増加

相反するブランドのコラボレーションが人気のカギに
今年最も注目を集めたコラボレーションは、セレブリティや希少性、そして意外性が融合したものだった。例えば、ニューヨーク・ダウンタウンを拠点とする〈Supreme（シュプリーム）〉がアップタウンの〈Tiffany & Co.（ティファニー）〉と組んだり、限定発売で知られる〈YEEZY〉が大衆向けの〈GAP（ギャップ）〉と組んだりなど、2021年は現在の文化においては国境がないことが示されている。
・〈Gucci（グッチ）〉x〈THE NORTH FACE（ザ・ノース・フェイス）〉の平均市場価格は1,400ドル（過去12カ月間）
・“YEEZY GAP”の取引数は17,000件を突破（過去12カ月間）
・〈Supreme〉x〈Tiffany & Co.〉の平均価格上昇率は+140%（過去12カ月）
・〈Telfar（テルファー）〉x〈UGG®︎（アグ®︎）〉の取引数は4,000件を突破（過去12カ月間）

Air Jordan 2の人気再熱
故Virgil Abloh（ヴァージル・アブロー）の手掛けた〈Off-White™️（オフホワイト）〉x Air Jordan 2 Lowなどのコラボレーションが大きな契機となり、その後AJ2の人気が再熱。話題のコラボモデルだけでなく、多くの過去モデルの価値が急騰する事態に。『StockX』が2020年以前に発売された全てのAJ2で構成されるAir Jordan 2 Indexを作成したところ、過去2年間で価値が+90%上昇し、S&P500を上回るリターンを達成した。
・2020年1月以降の平均価格上昇率：+90%（同期間のS&P500は+40%）
・この1年間の平均取引価格の最高値：315ドル
・この1年間の平均取引価格の最安値：225ドル

2021年に市場へ影響を与えた主な出来事
（1月）
・アメリカ大統領就任式
米副大統領 Kamala Harris（カマラ・ハリス）の義理の甥にあたるNikolas Ajagu（ニコラス・アジャグ）が大統領就任式で、〈DIOR（ディオール）〉x Air Jordan 1を履いている姿を写真に撮られたことから、翌日の話題を独占。『StockX』の商品ページへのアクセスは前日比で+200%以上増加し、「Dior Jordan」の検索数は前日比で+280%増加するなど、市場に大きな影響を与えた。

（2月）
・『ポケモンカードゲーム』25周年
毎年2月27日は“ポケモンデー”であり、今年は『ポケモンカードゲーム』の誕生25周年のアニバーサリーイヤー。このことを記念したアイテムの取引が急増し、2月のポケモン関連商品の取引は1月と比較して+100%増加している。

（7月）
・Beyoncéが〈Telfar〉を後押し
〈Telfar〉のショッピングバッグは、2021年も“It bag”として君臨し続けたが、これはBeyoncé（ビヨンセ）の影響が大きい。7月7日（現地時間）、彼女がが〈Telfar〉のショッピングバッグ（Medium White）を持っている姿が目撃され、翌日には“Telfar”の検索数が前日比+500%も増加することに。

・映画『スペース・プレイヤーズ』がLeBron Jamesの関連商品の需要を底上げ
1990年代の最も重要なスニーカー映画の1つである『スペース・ジャム（原題：Space Jam）』の続編として、『スペース・プレイヤーズ（原題：Space Jam: A New Legacy）』が今年遂に公開された。このことを記念し、『スペース・プレイヤーズ』関連商品の発売に加え、同作の主演を務めるLeBron James（レブロン・ジェームズ）のシグニチャーモデル 〈Nike〉LeBron 8 “South Beach”が復刻。その結果、LeBronのシグニチャーモデルのスニーカーの月間平均取引数は3倍となり、取引高は過去2年間で最高を記録した。

（8月）
・オリンピック関連の〈Nike SB〉商品への注目が急上昇
今夏開催された「2020年東京オリンピック」から正式種目となったスケートボード。この影響でスケートボード関連商品への注目度が急上昇し、特にオランダ人アーティスト ParraことPiet Parra（パイエット・パラ）がデザインした〈Nike SB〉Dunk Lowやユニフォームなどは15,000件以上も取引された。この事例を受けて、あらためてスケートボードの人気とオリンピックの影響力の高さを認識することに。また、『StockX』は今年、Robert Neal（ロバート・ニール）とBriana King（ブリアナ・キング）という才能と情熱を併せ持つ素晴らしいスケーターとパートナーシップ契約を締結した。

（12月）
・Xbox20周年
米「Microsoft（マイクロソフト）」が2001年に発表した家庭用ゲーム機 Xboxが、初代モデルの発売から今年で20周年を迎えた。このことを記念し、今年はさまざまなコラボレーションやグッズが発表されている。特に大きな話題となったのは、11月に発表された〈Gucci〉とのコラボレーションプロジェクト “Xbox By Gucci”。世界限定100台のみ販売されたエディションナンバー入りゲーム機セット Gucci Xbox Bundleは、『StockX』で18,000ドル以上の価格で取引されている。