Nike が2022年度第2四半期の決算を発表
好調な業績を残すもサプライチェーンの混乱などの課題は継続
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12月20日(現地時間)、〈Nike(ナイキ)〉が2022年度第2四半期(2021年9月〜11月)の決算を発表し、同社の売上高と収益が市場予想を上回ったことが明らかになった。今回の発表を受けて、同社の株価は時間外取引で3.7%上昇した。
公開されたレポートによると、売上高は前年同期比1%増の114億ドル(約1兆3,000億円)で、アナリストが予想した112億5,000万ドルを上回る結果に。純利益は前年同期比7%増の13億4,000万ドル(約1,520億円2,500万円/1株当たり0.83ドル)と、1株利益が市場予想(0.63ドル)を上回った。特筆すべきは、同社にとって最大の市場である北米での売上高が12%増加したこと。これは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンの一斉接種により店舗への来客数が急増したことや、オンラインショッピングの利用者の増加の影響だという。〈Nike〉のCEOであるJohn Donahoe(ジョン・ドナホー)は今回の結果を受けて、以下のようなコメントを発表。「今期のNikeの業績は、ダイナミックな環境下でもさまざまな戦略を実行することで、それらがうまく機能したことを証明するものです。我々は今、1年半前よりもはるかに強い競争力を持つようになりました」
好調な業績を達成した一方で、サプライチェーンの混乱などの課題は継続。今年は〈Nike〉のフットウェアの50%以上を生産しているベトナム工場が数カ月にわたる閉鎖によって、製品の供給量が需要に追いつかないという状況が続いた。その結果、中華圏およびアジア太平洋・中南米市場の売上は減少している。しかし、北米における年末商戦の幕開けとなる“ブラックフライデー”の売上高は過去最高を記録したことから、今後この課題が解消されれば、業績はさらに伸びることが見込まれる。
また、直近の大きなトピックとしては、同社が新興NFTブランド〈RTFKT(アーティファクト)〉を買収したことだろう。この買収によって、同社は今後本格的にメタバース事業に参入することになる。勢いを増す〈Nike〉の新たな展開に、より注目していきたい。