スコッティ・ピッペンが1997年の伝説の試合 “インフルエンザ・ゲーム” でのマイケル・ジョーダンを批判

11月9日（現地時間）、自身初の回顧録となる書籍『Scottie Pippen’s Unguarded』を出版した元NBAのスター選手 Scottie Pippen（スコッティ・ピッペン）。本書には彼のこれまでのキャリアを振り返るだけでなく、かつて所属したシカゴ・ブルズや元チームメイトであるMichael Jordan（マイケル・ジョーダン）への批判が赤裸々に書き綴られており、往年のファンにとっては少々ショッキングな内容になっているようだ。また、Pippenは自著のプロモーションのために発売前からさまざまなメディアの取材に応じ、その度にMJを非難するような発言を繰り返しているため、多くの人々の注目を集めている。そんなPippenだが、最近出演した米ラジオ局「Sirius XM Radio（シリウスXMラジオ）」の番組内で、現役時代のMJがファンの間で必要以上に神格化されていることについて疑問を呈した。

Pippenは1998年に行われたユタ・ジャズとのNBAファイナル第6戦において、持病の腰痛が悪化したにもかかわらず出場したことについてインタビュアーから聞かれたところ、「椎間板ヘルニアと診断されていたから、仮にシリーズが第7戦までもつれ込んだ場合はおそらくプレーしなかったと思う」とコメントした。ブルズはこの試合で苦戦を強いられながらも、MJが残り時間数秒で決勝点を決め、当時NBA史上初となる2度目のスリーピートを達成している。

番組が進むにつれて、話題は昨年公開されたドキュメンタリーシリーズ『マイケル・ジョーダン: ラストダンス』の第9話で取り上げられた1997年のユタ・ジャズとのNBAファイナル第5戦、通称 “インフルエンザ・ゲーム（flu game）”へと移行した。その試合の前夜、MJは宿泊先のホテルでデリバリーされたピザを平らげた後に体調が悪化。翌日朝になっても彼の体調は回復せず、試合に参加するのは困難だと思われたが、自身の判断で強行出場した。試合は90-88でブルズが制し、MJは体調不良にもかかわらず44分間プレーし、38得点をあげてチームの勝利に貢献。MJの不調の原因は食中毒ともインフルエンザとも言われているため、この試合は“インフルエンザ・ゲーム”と呼ばれ、ファンの間では伝説となっている。Pippenは“インフルエンザ・ゲーム”でのMJが神格化されていることについて、自身の持病と比較して以下のようにコメントした。「（椎間板ヘルニアのような）背中の痛みを抱えながら試合に出場した例はほどんどないけど、インフルエンザ（を患いながらも試合に出場すること）はよくあるよ。それが（伝説の）“インフルエンザ・ゲーム”だって？勘弁してくれよ。俺は1998年のNBAファイナル第6戦の前にはもっとひどい怪我をしていたんだぜ？当日の試合開始早々にダンクシュートを決めて、（相手チームの）Karl Malone（カール・マローン）に少し叩かれたんだ。そのせいもあって、試合中はずっと気が動転していて、一旦ロッカールームに戻ってコルチゾンや色々な薬を摂取したり、ヒートパックをもらったりして、なんとか持ちこたえた。だから、第7戦があったとしたらプレーするのは無理だったよ」

その後もPippenはMJについてどう思うかインタビュアーから問われたが、「それについての答えは全てこの本（『Scottie Pippen’s Unguarded』）の中に書いてあるよ」と締め括った。ますます内容が気になる『Scottie Pippen’s Unguarded』は、現在同書の出版元である「Simon & Schuster」の公式サイトから注文可能。気になる方は早速オーダーしてみてはいかがだろうか。

"I don't see many bad-back games, but I do see flu games." @ScottiePippen compares his back injury against the Jazz to Michael Jordan's infamous "Flu Game." Hear more on @SiriusXMNBA. https://t.co/vZSAKED5NR pic.twitter.com/65Q21Dgig2

— SiriusXM (@SIRIUSXM) November 9, 2021