Astroworld Festival の悲劇が50件近い訴訟問題に発展

8人の死者だけでなく脳死状態の女子大学生と昏睡状態の9歳の少年の被害者まで出してしまったTravis Scott（トラヴィス・スコット）の主催する音楽フェス「Astroworld Festival（アストロワールド フェスティバル）」。地元ヒューストン警察はこの悲劇について殺人事件も視野に捜査を進めているとのことだが、本稿執筆時点で50件近い訴訟問題に発展していることが明らかとなった。

訴訟を起こしたのは先述の9歳の少年の家族をはじめとする負傷者や死亡者の遺族で、11月10日（現地時間）朝までに46件が確認。Travisや彼の音楽レーベル「Cactus Jack Records（カクタス・ジャック・レコード）」、イベント制作会社「ScoreMore（スコアモア）」、プロモーター「Live Nation（ライブ・ネイション）」、ゲスト出演したDrake（ドレイク）らが肉体的・精神的に苦痛を受けたとして提訴されているそうだ。だが、最初に訴訟した弁護士のもとには新たに100件以上の依頼が来ているとのことで、最終的に訴訟件数は数百に上り、全ての解決には数年を要し数億ドル以上の賠償金が支払われる可能性が高いという。

ヒューストンのヒーロー Travisが地元の活性化も兼ねて開催した「Astroworld Festival」がこのような悲劇を生んでしまったのは非常に残念であるが、音楽業界が今後のフェスやライブの在り方を見つめ直す機会にはなっただろう。そして、被害者の方々の1日でも早い回復を祈るばかりである。