Interviews: Daniela Diletto に聞く“ボーダレス”な bonjour bonsoir
〈bonjour bonsoir〉アート・ディレクター、〈Monocle Voyage〉クリエイティヴ・ディレクターを務める「Daniela
〈bonjour bonsoir〉アート・ディレクター、〈Monocle Voyage〉クリエイティヴ・ディレクターを務める「Daniela Diletto」。イタリア人のルーツを持つDanielaはドイツ・ウルムで生まれ、ベルリン、ミラノに住んだ後、2007年より活動の拠点をパリへ。フォトグラファーの「新田桂一」氏の作品集『EVERYDAY IS LIKE A SUNDAY』を上梓、〈Maison Kitsuné〉のスタジオ・ディレクターとしてコレクション開発をするなど、日本とのつながりも深い。そんな彼女がアート・ディレクターとして手がける〈bonjour records〉とのブランド〈bonjour bonsoir〉は、“世界中の都市へあいさつするスウェット”をコンセプトに2013年秋冬よりスタート。国籍や年齢、性別を超えたボーダレスなアイテムを展開するDanielaが考える“グローバル”なコミュニケーションとは? そして、ブランドを通して伝えたいメッセージとは? 来日していたDanielaに話を伺った。
パリを拠点に活動
“パリは私が生まれ育ったドイツ、そしてルーツであるイタリアがうまくミックスされているコンテンポラリーな街だと思います。”
—イタリアのルーツを持ち、ドイツ生まれながらもパリをクリエーションの場所に選んだ理由は?
パリは私が生まれ育ったドイツ、そしてルーツであるイタリアがうまくミックスされているところだと思うから。ドイツはすごく洗練されている場所。イタリアはアートの国ですよね。パリはそれらがすべて混ざっているコンテンポラリーな街です。
—〈bonjour bonsoir〉をスタートしたきっかけは何だったのですか?
10年前くらいから〈bonjour records〉の人たちをよく知っていたこともあり、プロジェクトがスタートして、ブランドを2013年秋冬より始めました。〈bonjour records〉は音楽やカルチャーに精通し、「bonjour」という言葉はジャンル、国籍を問わず良いものをセレクトし、発信していくという意味を持っているので、私のコンセプトとも合っていたので、自然な流れでしたね。
ブランドが発信する“ボーダレス”なメッセージ
“〈bonjour bonsoir〉は“ストーリーテラー(物語作家)”ですね。だからブランド名も〈bonjour bonsoir〉。物語の始まりと終わりを意味しています。”
—〈bonjour bonsoir〉のコンセプトを教えてください。
そうですね、 “Universal Language”と言ったらいいでしょうか。“世界中の都市へ挨拶する”という、世界的なプロジェクトです。〈bonjour records〉も同じく世界に発信しているもの。例えばパリ、ロンドン、ニューヨークの人たちが〈bonjour records〉を通して日本のものだけでなく世界のものを知ることができる。特に音楽は、国境を越えるものですよね。言葉が通じなくても理解し合えるプ ラットフォームの役割を果たす大切なものだと思います。毎シーズン、違う国、違うコンセプトで作っています。私は70年代後半の生まれで、オールドスクー ルヒップホップを聞いて育ちましたが、今20代くらいの人と話しても世代を気にせず音楽の話をできるかもしれ ません。そういう感覚を〈bonjour bonsoir〉を通して発信しているのです。つまり、〈bonjour bonsoir〉は“ストーリーテラー(物語作家)”ですね。だから名前も〈bonjour bonsoir〉。物語の始まりと終わりを意味しています。
—“SKY HIGH SUPER FLY”、“TRIPLE DOUBLE PRIME PLAYER”、“BIG TIME”をテーマにした2015年春夏コレクションに関して教えて下さい。
これもボーダレスなコンセプトを取り入れてたので、世界的に通じる“スポーティ”なコレクションを展開しています。私たちが“繋がっている”ということを示すものでもありますね。次のシーズンは、それがもっと顕著かもしれません。
—日本はどうですか?
大好きな国です。これまでに何度も来ていますし、すごく心地がいい。なんでしょう、イタリアと似ているところがあるんですよね、家族、食べ物、細長い地形だったり(笑)。イタリアもほとんど島国のような感じですから。日本にいると、とてもホッとする瞬間があります。ひょっとすると、私がこんなにすぐ他国のカルチャーに馴染むことができるのは、これまでに多くの国での経験があるのと、ルーツがイタリアではあるけれどドイツで生まれ育ったことなど、そういうバックグラウンドが影響しているのかもしれません。だから、言葉が分からない日本にもすぐ馴染めました。なんとなく、分かるんです、相手が言おうとしていること、感じでいること。結局、これが自身のブランドのコンセプトに繋がっているんです。
—今後の展望や予定していることはありますか?
そうですね、いつかは自分の好きなものや各国のさまざまなカルチャーをミックスさせたような“場所”をつくりたい。それが、みなさんにとってアクセスしやすかったり、心地がいい場所になるのがいいですね。
—最後にメッセージをお願いします。
“Be Curious(好奇心を持って)”。好奇心が一番大切です。あと、言葉が話せないことを恐れないでください(笑)。それ以外でもコミュニケーションを取れる方法はたくさんありますから。