Nike が S&P 100 の構成銘柄から除外
株価はピーク時から78%の下落 ── 12年ぶりの低水準へ
指数算出会社「S&P Dow Jones Indices(S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス)が9月4日(現地時間)に発表した四半期ごとのインデックス構成変更により、〈Nike(ナイキ)〉が米国時間2026年9月21日の市場取引開始前をもって米国主要100社で構成される株価指数「S&P 100」の構成銘柄から除外されることが決定した。
今回の入れ替えにより、〈Nike〉のほか「Honeywell Aerospace(ハネウェル・エアロスペース)」「Simon Property Group(サイモン・プロパティ・グループ)」「Colgate-Palmolive(コルゲート・パーモリーブ)」の計4社が「S&P 100」から除外。一方で、「Dell Technologies(デル・テクノロジーズ)」「Palo Alto Networks(パロアルトネットワークス)」「Arista Networks(アリスタネットワークス)」「Sandisk(サンディスク)」のテクノロジー企業4社が新たに採用された。
「S&P 100」は、米国の大手500社で構成される「S&P 500」の中から、時価総額が大きく多様な産業を代表する主要100社を抽出した株価指数。同社は、今回のリバランスについて「各指数がそれぞれの時価総額規模を正確に反映し続けるようにするため」と説明。なお、〈Nike〉は「S&P 500」からの除外リストには含まれておらず、株式の取引が停止・上場廃止となるわけではない。あくまで時価総額の変化や産業構造のシフトに伴う指数内のカテゴリー変更を意味している。「S&P 100」からの除外はより広範な「S&P 500」に留まるため直接的な市場への機械的影響は限定的とされるが、今回の決定はかつての株式市場の寵児が直面する苦境を象徴する出来事として大きな波紋を呼んでいる。
実際、〈Nike〉の株価は最高値を記録した2021年のピーク時から約78%も暴落しており、今年夏には12年ぶりの低水準まで落ち込んだ。市場アナリストや投資家が指摘する迷走の背景には、近年のブランド戦略におけるいくつかの悪手が挙げられる。直営店や自社ECを優先するD2C(Direct-to-Consumer)シフトを急進させた結果、これまで強固だった卸売りパートナー(セレクトショップやスニーカーショップ)との関係を弱体化。さらに定番フランチャイズモデルに依存しすぎたことでプロダクトの新鮮味が薄れ、その隙を突く形で〈HOKA(ホカ)〉や〈On(オン)〉といった新興ランニングブランドにシェアを奪われる事態へと発展した。
CEOのエリオット・ヒル(Elliott Hill)のもと、現在は卸売り関係の修復やスポーツへの再フォーカス、流通の適正化が進められているものの、中国市場の減速も重なり、かつて誇っていた競争優位性への懸念は拭えていない。〈Nike〉の「S&P 100」からの除外は、単なる数値上の入れ替えではなく、マーケットや消費者の関心が移り変わった結果を反映したものと言える。



















