Nike が SNKRS の未来について公式声明を発表
スニーカー市場の変化を受けてテクノロジー部門の組織再編へ
〈Nike(ナイキ)〉は5月9日(現地時間)、同社の提供しているアプリ『SNKRS(スニーカーズ)』の今後の計画についての公式声明を発表した。
『SNKRS』は〈Nike〉の新作を追いかけるスニーカーヘッズにとって、最も重要な存在であり続けてきた。もともとはストーリーテリングや限定リリースを目的とした実験的プロジェクトとして始まったものの、やがて〈Nike〉や〈Jordan Brand(ジョーダン ブランド)〉のリリース体験を大きく変えるプラットフォームへと進化。最盛期の『SNKRS』は一種のイベントのような盛り上がりをみせていた。実際、「Shock Drop」はインターネット全体を巻き込むほどの話題となり、注目モデルのリリース日に当選することは宝くじに当たるような感覚だっただろう。『SNKRS』での人気リリースへのアクセスは、〈Nike〉のデジタル分野での進化を象徴するものでもあった。
『SNKRS』は当初、感情や物語性を重視した製品発売の場だったが、需要拡大とともに抽選形式の「Draw」中心のプラットフォームへと変化していく。しかし近年、過熱していたスニーカーマーケットは落ち着きを見せており、以前なら即完売していたモデルも長期間在庫が残るケースが増えている。また、昨今の『SNKRS』アプリのチームに関連する人員削減の報道を受け、プラットフォームの将来に関するさまざまな憶測がSNS上で広がっていた。
〈Nike〉が以前大々的に展開していたWeb3およびデジタルコレクティブル事業『.SWOOSH(.スウッシュ)』を終了させたことも、『SNKRS』への不透明感を強める一因に。『.SWOOSH』は仮想商品やコミュニティ主導型のデジタル体験を通じて、ブランドと消費者の関係を再定義する試みとして位置づけられていた。こうした静かな撤退に加え、〈Nike〉全体のデジタル戦略にも変化が見られることで、同社が今後どのようにテクノロジー、ストーリーテリング、DTC戦略を展開していくのかについて、消費者の関心が高まっている。
そして〈Nike〉はついに『SNKRS』に関する公式声明を発表。全文は以下の通り。
Nikeのテクノロジー部門における最近の組織変更により、Nike AppとSNKRSのエンジニアリングチームは統合され、一つのチームとなりました。この新しい統合チームは、オレゴン州にあるNikeのPhilip H. Knightキャンパスで、ビジネスおよびテクノロジーパートナーと連携しながら運営されます。
この新チームは、これまでSNKRS専任だったエンジニアと、Nike App、公式サイト、Nike By Youを担当するチームの専門知識を結集するものです。これにより、消費者へのサービス向上、業務の引き継ぎ削減、効率性向上を実現します。
SNKRSは今後もNikeのデジタルマーケットプレイス戦略における重要なツールであり続けます。今後は、厳選されたリリースに加え、常時展開される商品ラインアップ、豊かなストーリーテリング、シームレスなショッピング体験、そしてリアルイベントとのより深い連携を提供していきます。これらは統合されたNike AppとSNKRSのエンジニアリングチームによって支えられます。
私たちはSNKRSに引き続き深くコミットしており、最高レベルのエンジニアリングサポートを通じて、シームレスな消費者体験を提供していきます。
この声明で明らかなのは、『SNKRS』は今後も〈Nike〉全体のエコシステムにおいて重要な役割を担うということだろう。〈Nike〉のテクノロジー部門の組織再編は、変化するスニーカー市場と新たな消費者行動に適応するため、同社が『SNKRS』の役割を再定義しようとしている過渡期を示しているのかもしれない。




















