NASA がロケット アルテミス1の打ち上げを延期
エンジンの不具合が原因
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「NASA(アメリカ航空宇宙局)」が、8月29日(現地時間)に予定していた“アルテミス計画”のためのロケット アルテミス1の打ち上げを中止し、9月4日(日)未明に延期することを発表した。
1961年〜1972年で実施された“アポロ計画”以来の月面着陸を目指す“アルテミス計画”。今回は、アメリカ・フロリダ州にある『ケネディ宇宙センター』の発射台から離陸が予定されていたが、機体にある4つのメインエンジンのうち1つを冷却することができず打ち上げを断念した。「NASA」の関係者によると、欠陥のあるエンジンは極低温の液体水素と液体酸素に対して十分に冷却できず、現場にいた科学者たちも問題の解決策が見出せなかったという。「NASA」から発表された声明では、「発射管制官は、コアステージタンクの圧力を上げて極低温推進剤をエンジンに送り込み、エンジンを始動するのに適切な温度範囲にすることで、エンジンを調整します。エンジン3はブリードプロセスを通じて適切に調整されておらず、エンジニアがトラブルシューティングを行っています。チームは、コアステージのフランジの1つにある熱保護システム材料の亀裂のように見えるものも評価しています」と述べている。
また、今回中止された打ち上げは延期が決まっており、日本時間で9月4日(日)をめざすことを明らかにしている。ミッションマネジャーであるマイク・セラフィンは「9月3日に打ち上げに挑むつもりだが、もしエンジンの温度調整ができなければ打ち上げない」と電話記者会見で説明した。