『スター・ウォーズ』のデス・スターを実際に作るためのコストと時間を試算
建設費だけで約12京円以上で建設に必要な鉄を生産するのに83万年以上かかる
『スター・ウォーズ』に登場するダース・ベイダー率いる帝国軍の超兵器、デス・スターを実際に作るとしたら何が必要だろうか。“人生や宇宙の壮大な気まぐれ、自然や偶然の美しさ”などの情報を集めるウェブサイト『INSH』が、そんな疑問に答える映像を公開した。
デス・スターを本当に作るとなると、まず宇宙ステーションの建築が必要。この球体の兵器の正確な大きさは不明だが、直径120kmから160kmの間と推定されている。これは太陽系で最も小さな我々の月よりもかなり小さいが、やはりそれはかなり巨大なものだ。その建設に必要なものはまずお金となる。当然ながら大きなプロジェクトには大きなお金がかかるわけで、『INSH』は建設費だけで852兆ドル(約12京4500兆円)かかるというという途方もない試算を出している。仮にデス・スターが完成しても、それを維持し、稼働させれば、さらに膨れ上がるのは明白だ。武器があろうとなかろうと、この宇宙ステーションのショップや軍隊のカフェ、レストランを運営するのに約170万人のスタッフが必要になるだろうと仮定され、これにストームトルーパー約2万人、帝国海軍兵士約34万人を加えると、約206万人がデス・スターで暮らすことになる。デス・スターのゴミ処理費用、電気代、乗組員の食事、洗濯などのランニングコストを合算すると年間の総額は7.8兆ドル(約1,140兆円)になるという見積りを出している。
では、ダース・ベイダーの帝国が作るのに19年かかったというデス・スターはいったいどこに作るんだという疑問が出てくるが、地球の低軌道だと地球に落ちてくる可能性が高すぎるので地球の大気圏外に作ればいい、とここでは仮定して話を進めている。次に、デス・スターをどうやって製造するか。この巨大兵器を組み立てるには、まずハイパーマター(超物質)炉のコアが必要となる。ハイパーマター炉がどのように機能するかの詳細はここでは無視して、すでに持っていると仮定している。赤道に沿って4つのリアクターシャフトを作り、上から下へ大きな柱を立てる。この柱はパワーを分散させるのに役立ち、またステーションの安定化装置としても機能するらしい。
また、この巨大プロジェクトには、大量の鉄鋼が必要となる。計算上では、地球のコアにはデス・スターを作るのに必要な鉄が200万基分はあるとされるが、デス・スター1基分の鉄を採取しても、建設に必要な鉄を生産するのに83万年以上かかる。鉄を必要な場所に運ぶには、何百万回ものロケット打ち上げが必要となるという。
結果は明白だが、実現不可能なプロジェクトなので帝国軍が地球に迫ってくることは当分なさそうだ。