BEAMS PLUS と J.Crew が体現するコラボレーションの理想形

コラボコレクション第2弾のローンチを記念し、〈J.Crew〉クリエイティブディレクターのブレンドン・バベンジンと『BEAMS PLUS』 ディレクター 溝端秀基へのインタビューを敢行

ファッション 

“永年着られる飽きのこない本物の男服”をコンセプトに、アメリカがもっとも良かった時代のオーセンティックなスタイルを提案し続ける『BEAMS PLUS(ビームス プラス)』が、ブレンドン・バベンジン(Brendon Babenzien)率いるアメリカンカジュアルの雄〈J.Crew(J.クルー)〉と再びタッグを組み、新たなカプセルコレクションをローンチする。

1983年にカタログ販売からスタートした〈J.Crew〉は、トラッドを軸に据えながらも、その時代の空気を的確に捉え、ハイセンスな色使いと独自のテキスタイル開発によって、タイムレスなメンズウェアを世に送り出してきた。同ブランドは2021年より元〈Supreme(シュプリーム)〉のデザインディレクターであり、〈NOAH(ノア)〉の共同創業者でもあるブレンドン・バベンジンをメンズクリエイティブディレクターに迎え、旧世代のファンだけでなく、次世代にもその支持層を拡大し続けている。

トラッド・マインドを根底に持つ『BEAMS PLUS』と〈J.Crew〉は2022年に初めてコラボレーションし、“OLD BOY(オールドボーイ)”をテーマに据えたカプセルコレクションを発表した。古き良きアメリカントラッドを回顧しつつ、両者が深い造詣を持つミリタリーの要素を取り入れたアイテムを制作。本場アメリカのカジュアルウェアに対する日本独自のアプローチと、ブレンドンのストリートで培った感性が融合したコレクションは、大きな話題となった。

そしてこのたび約1年半ぶり、2度目のコラボレーションが実現。今回のコレクションでは“OLD BOY SURF CLUB(オールドボーイ サーフクラブ)”をテーマに、両ブランドのデザインチーム全体で作り上げた全14型のアイテムが展開される。『Hypebeast』では本コレクションのローンチに先駆け、ブレンドン・バベンジン、そして『BEAMS PLUS』のディレクターを務める溝端秀基へのインタビューを敢行。東京とニューヨーク間で“リモート”で進行したというデザインプロセスや、各アイテムに込めたこだわり、両者の関係性について話を訊いた。


Brendon Babenzien(J.Crew Creative Director)

Hypebeast:前回は“OLD BOY”をテーマに、トラッドとミリタリーを軸にしたコレクションを展開しました。今回のコレクションのテーマと、取り入れたカテゴリー(*ワーク、スポーツ、ミリタリー、トラッド etc)は何でしょうか?

ブレンドン・バベンジン(以下、B):今回のコラボレーションのコンセプトは“Surf School(サーフ・スクール)”で、1950年代から60年代に見られたサーフスタイルにアイビースタイルがかけ合わさった時代を表現しました。実はサーフィンとアイビーには多くの共通点があったのです。今回のコレクションのデザインインスピレーションは、ミキ・ドラ(Miki Dora)という人物から得ています。彼はサーファーでありながら、スタントマンでもあり、1950年代のハリウッドのサーフ映画にも出演していました。彼は素晴らしいスタイルを持っており、彼のスタイルがこのコレクションデザインの背景にあります。

前回のコレクションはあなたと溝端氏が中心となって制作したようですね。今回はチーム全体で作り上げたとお聞きしていますが、どのように制作を進行したのでしょうか? そのプロセスを教えて下さい。

B:J.CrewチームもBEAMS PLUSチームも非常に有能であり、深く豊富な知識を持っているため、私たちが表現したいことをきちんとコレクションに落とし込むことができます。そして、どちらのチームもその工程を心から楽しんでいるため、情熱を持ってこの作業にあたることができるのです。決して、仕事だからやる、というわけではありません。

今回のコレクションの中で、特にお気に入りのアイテムは何ですか? その理由も教えて下さい。

B:刺繍入りのパンツが好きです。ミキ・ドラがサーフィンする姿から着想を得たデザインの刺繍が施されているんです。これはとても面白い。

あなたの考える、理想のサーフスタイルを体現している人物は誰でしょうか?

B:サーフィン・コミュニティは本当にクリエイティブであり、そのため常に進化しています。サーフィン・コミュニティに唯一無二の完璧なサーファースタイルは存在せず、むしろ多様性があり、常に変化しています。だから私はこのコミュニティが好きなんです。

サーフィンにまつわる個人的なエピソードがあれば教えてください。

B:サーフィンは私の人生そのものです。サーフィンがなかったら、いまの私はないでしょう。10代の頃にサーフショップで働き始め、その後すぐにサーフィンを始め、以降の人生はすべてサーフィンによって形づくられています。デザインに対する美意識から人間関係に至るまで、すべてに影響を与えています。

あらためてお聞きしたいのですが、あなたにとってJ.Crew、そしてBEAMS PLUSとはどんなブランドですか?

B:どちらもトラッド・スタイルやその基礎を守っていくために非常に重要なブランドです。なぜなら、基本に忠実でありながら、陳腐で飽きさせることのないものを作っているからです。どちらのブランドも、トレンドに流されることなく、自分たちのやるべきことからブレることもありません。BEAMS PLUSが好きな理由は、彼らが自分たちだけの強みや価値を持っていて、それをとても上手に実践しつつ、そこから踏み外すことが絶対にないからです。この点はJ.Crewと似ています。いまも広く支持されるブランドでありながら、自分たちが築き上げた歴史を捨てトレンドを追いかけるようなことは決してありません。


Hideki Mizobata(BEAMS PLUS Director)

まずは今回のコレクションの制作プロセスを教えてください。どのようにニューヨークのブレンドンやJ.Crewチームとデザインのやりとりを進めていったのでしょうか?

溝端秀基:(以下、M):我々BEAMS PLUSの基本的なやり方としては、最初に相手からプランをもらうんですね。今回ははじめにブレンドンとJ.Crewチームからムードボードが送られてきて、それをベースにコレクションを組み上げていきました。ムードボードには色々な写真やイメージがコラージュされていて、自分がこれを見て「なるほど、この年代のこのサーフスクール感か」とか、「この年代だとエンドレスサマーの時代かな」「これTAKE IVYの写真だな」とか気付くことで、彼らのやりたいことを読み解いていくんです。あと今回のコレクションではミキ・ドラというサーファーのスタイルが大きなインスピレーションのひとつになっているのですが、当初僕は彼のことは全く知りませんでした(笑)。そこからミキ・ドラのことを調べたりもして、彼らから受け取ったムードをどうやってコレクションに落とし込めるかを一旦僕の中で解釈をさせてもらい、こちらからアイデアを提案する形になりますね。

なるほど。最初はイメージのやり取りを進めていく感じですか?

M:そうですね。今回はムードボードを受け取った後、僕からまず提案したのがこのロゴになります。通常、J.Crewのロゴに描かれている人物はオールを持っているんですが、それをサーフボードに置き換えたグラフィックを作ってみました。このロゴが今回のコレクションのアイコンとして、イメージが伝わりやすくなるかなと。

確かにイメージが湧いてきますね。コレクションで展開するアイテムについては、どのように決めていったんでしょうか?

M:先ほどのムードボードをベースに、僕らも同じような匂いのイメージを集めてアイデアを固めていきました。結局僕たちはウェアを作らなければいけないので、その年代の時代感や空気感、色合いや柄の使い方をリサーチして、それらをアイテムにどう落とし込むかを考えます。そのなかで“Surf School”というコンセプトがあったので、スクール感を出すために校章やエンブロイダリーみたいなものがあるといいなとか、もらったインスピレーションを元にラインアップを決めていきました。

何を作るかという具体的なアイテムの提案は、BEAMS PLUS側からJ.Crewチームへ投げるんでしょうか?

M:そうです。彼らがなぜBEAMS PLUSにコラボレーションを依頼してるかというのをまず絶対軸で考えた時に、おそらく僕らのアイデアソースだったりとか、インスピレーションの掘り方とか、あとは素材のチョイスみたいなところをストロングポイントとして捉えてくれていると思います。ですので、我々としては彼らからのインスピレーションを元に、歴史的なものを並び替えたり、ミックスさせたりして作っている感じです。

では、ここからはそれぞれのアイテムについて解説してもらいましょう。まず出発点と言いますか、最初にできたアイテムはどれでしょうか?

M:1番最初に企画のスタートとして取り組んだのは、クラブジャケットです。Windansea Surf Clubというアメリカ西海岸に昔からあるサーフクラブのメンバーが着ているジャケットがモチーフになっています。ブレンドンから届いたムードボードの中に、お揃いのナイロンジャケットを着たサーファーたちが写っている写真がありました。実は僕も以前から洋服のネタ探しやデザインのインスピレーションを得るために色々な資料をディグったりしているなかで、この写真を何回も見たことがあったんです。当初これは単にどこかのサーフィンチームが海で撮った写真かと思っていたんですが、歴史あるサーフクラブの集合写真ということが判明して。だったら今回のテーマに設定している年代とリンクするので、このジャケットを軸にコレクションを構成していきました。

このジャケットがスタートなんですね。

M:はい。先ほどお伝えしたように60年代頃のサーフクラブジャケットをモチーフにしながら、スクール感を出すために所謂クラブジャケットと言われるアイテムもベースにしています。あとこのラインの入り方は、ブレンドンから送られてきた写真の中にあった、Champion(チャンピオン)のカークラブジャケットのような形でドックイヤーみたいに襟が倒れる仕様になっているジャケットを参考にしています。J.Crewとは今回が2回目のコレクションになるんですが、実は前回のムードボードにも同じ写真が使われていました。おそらくブレンドンにとって、こういったライン使いのクラシックなジャケットは、かなりのフェイバリットアイテムなんじゃないかな。

M:ラインの色に関しては、ミキ・ドラが50〜60年代に使用していたサーフボードや、彼らが使っていた同時代のブランドのサーフボードに用いられている色柄を再現しています。また、新すぎない、クラシックな見え方をさせたいという意図から、ボディには褪せたようなネイビーの色合いをチョイスしているのもポイントです。

裏地の柄も面白いですね。

M:これはCatalina(カタリナ)というカリフォルニアのジャケットブランドのヴィンテージからアイデアを得ています。ジャケットの裏地が矢のようなイラストの柄になっているんですが、それをサーフボードが砂浜に刺さっているイラストに置き換えて、オリジナルの裏地を制作しました。あとは今回のコレクションの名称が“Surf School”から最終的に“OLD BOY SURF CLUB”になったので、そのロゴも入れていますね。

次はもう一つのアウターである、3ボタンのジャケットについて説明していただけますか?

M:このジャケットに関しても、先ほどお話ししたようにBEAMS PLUSのストロングポイントといえば、やはりこのようなアイビーライクなもの、プレップライクなものを中心としたジャケットスタイルが挙げられると思います。そういったテイストをJ.Crewチームもすごく好きでファンでいてくれてるんです。形はBEAMS PLUSが提案している1960年代のスタイルで、3つボタン段返りと呼ばれるジャケットです。ナチュラルショルダーで、センターフックベントを配した、所謂クラシックなアメリカンスタイルのスポーツコートのディテールを踏襲したものになります。

当時ってサーフコミュニティにおいても、必ず服装にはTPOがあるんですよ。サーファーが仮にレストランへ食事に行ったり、デートしたりとか少しドレスアップしないといけないシチュエーションにおかれた場合、こういったジャケットは必須でしょう。アイビー全盛期の時代を考えると、やはり1番最初にブレザーやBDシャツを作ったりしますよね? 要はアメリカ人って普段は私服でスポーティーな格好でも、特別なシチュエーションの場合は絶対正装します。分かりやすい例としては、彼らは日曜日に必ず教会に行くんですが、その時は正装しなければいけません。あとはみんな学校に入ると、ブレザーみたいなものを持ってるんですね。で、コレクションコンセプトの“Surf School”であれば、サーフィンの学校とはいえあくまで“学校”なので、こういったスポーツスタイルのジャケットがあってもいいかなと思い、今回のラインアップに加えました。

生地もチェックに柄のプリントが重ねられていて独特ですね。

M:春夏シーズンに店頭に並ぶので、やはりアイビーライクなマドラスチェックに、ブロックプリントというインドの伝統的なプリント技法を施した素材を落とし込んで、ちょっとユニークなアイテムに仕上げているのがポイントの一つです。

この生地もオリジナルなんですか?

M:いや、生地自体はインドで作られたものです。過去にBEAMS PLUSのインラインで同じ技法を用いた素材のアイテムを展開したことがありまして、今回もこういった素材を使えないかなっていうリクエストをJ.Crewチームに投げたところ、いくつか生地のスワッチが送られてきて、その中から選びました。フィットも少し、通常BEAMS PLUSで展開しているものより少しだけ緩くしてます。理由としては、サーフスクールの生徒であれば、いつもうちが提唱しているアイビースクールのスタイルよりもうちょっとイキっててもいいかなという(笑) コーディネートの提案としては、本来はジャケットにBDシャツとネクタイを合わせるのが最も正統のスタイルなんですが、例えばサーフィンからあがったタイミングですぐに協会に行かないといけないという場合は、もうTシャツの上にこのジャケットを羽織って、ベージュのパンツを合わせればOKみたいな。それくらいシンプルな方が、今回のコレクションのサーフスクールのジャケットスタイルとしては、すごくスマートで収まりがいいかなと思ってます。

次はブレンドンがお気に入りだと言っていた、刺繍入りのパンツですね。

M:これもBEAMS PLUSのインラインでここ数シーズン、“エンブロイダリー”という技法を用いたパンツを展開しているんですが、今回のコレクションならでは特別な刺繍ができないかなと考えていたときに、ミキ・ドラのサーフィンしている映像や写真を見ると、特徴的なトリックを決めている姿が目に留まり、それらを刺繍のモチーフに採用しました。実は最初のムードボードにもミキ・ドラがしゃがみながら波の真ん中を通り抜けていくボーディングスタイルの写真があって、それも引用しています。この柄には特に“Miki Dora”の名が刺繍されているわけではないのですが、見る人が見れば彼のサーフスタイルを表現してるんじゃないか、というのが伝わってくれるといいなと思います。

M:形自体はBEAMS PLUSで長らく定番として展開していて、かつ日本でも世界でも人気のあるフロントがツープリーツになってるスタイルです。今回はロングとショーツの2種類、色は前者がベージュ、後者がグリーンをそれぞれ用意しました。ショーツに採用したグリーンはかなりビビットな色味ではあるんですが、これも当時のサーフボードの色からインスピレーションを得ています。生地はもう本当にベーシックな、アメリカのおじさんが履いているようなツイルの素材感をチョイスしています。生地のセレクトに関しては、アメリカから生地のスワッチが送られてきたタイミングで、オンラインのビデオミーティングを通してこちらのデザインチームとJ.Crewのデザインチームと話し合いながら決めていきました。他のアイテムも同様ですね。

各アイテムの素材は基本的にJ.Crew側から提供してもらったんでしょうか?

M:そうです。今回は僕らから素材を提供をしてるわけではなくて、あくまでもイメージを伝えています。分かりやすく言うと、基本的にはBEAMS PLUSが大まかにMDの役割やディレクション構成をして、J.Crewの生産プロダクトチームと一緒に商品を最終的に組み上げた感じです。僕らからアイテムごとに生地はこのぐらいの厚さがいい、これくらい軽い方がいい、こういう色がいいといったリクエストを投げました。というのも前回のコラボレーションを経て、それぞれが作れる/作りたいもの、お互いが相手に求めるものっていうのが、なんとなくフィーリング上で一致しているという認識があるので、抽象的な言葉のやり取りでも期待から大きく外れることはないだろうと。こういったプロセスを経ているので、この刺繍入りパンツを彼らがお気に入りのアイテムだと言ってくれたのは、僕らとしてもすごく嬉しいです。

お互いの信頼関係があるからこそ、そのようなやり方でも成立するんですね。では、次のアイテムをお願いします。

M:このシャツにも、デザインソースとなったヴィンテージのシャツがあります。サーフアイテムではなくて、どちらかというとスクール寄りだったりとか、あとカットの感じとかは、もしかするとルームウェア的な要素があるのかもしれないです。スタンドでもなければカラーがないスタイルっていうのは、マドラススタイプのものが60年代ぐらいに多くあるんですが、それとは違う、どこかリラックス感のあるアイテムを今回のサーフスタイルのコレクションのラインアップに入れたいと思いました。それでヴィンテージをベースに、この形のシャツを作りたいというデザイン案を彼らに提案したんですが、どうしても僕らの希望するボーダーのピッチ感かつオックスフォードのものって一般的に流通している生地には無い。で、J.Crewから送られてきたスワッチの中に、ピッチは全然違いますが、素材感が近い生地があったので、この生地のウェイトでこのピッチ幅にしてくれ、といったやり取りを経て完成しました。色味に関しては、当時のビーチにあるパラソルの明るいカラーパレットをイメージして、ツートーンで組んでほしいとリクエストしました。どこか海の匂いを感じる1枚になっていますよね。

次はもう1型のボトムスである、コーデュロイのショーツですね。

M:これもヴィンテージから着想を得ています。Ocean Pacific(オーシャンパシフィック)、通称 OPというサーフブランドが出していたコーデュロイのショーツがベースになっているんですが、オリジナルより丈は少し長くしています。年代的には60年代より少し先に作られたものですね。先ほどの刺繍入りパンツに比べて、ちょっとだけフォーマルを意識しています。フォーマルと言ってもショーツなので、よりスポーティに合わせてもらえればという思いから、内側にドローコードをつけてイージーパンツのような仕様にしました。あとオリジナルのポケットは奥まで手が届くほど深いんですが、これはある程度の深さで留めて、中のものが取り出ししやすいように調整しています。

これもしかして洗い加工とかされていますか?

M:はい。これもミーティングをするなかで素材はコーデュロイがいいとなった時に、僕の方から「加工感のある感じで洗いざらしのような雰囲気がいい。通常のネイビーよりも色褪せた風合いがいい」といったリクエストを出したんですね。その後彼らから僕の希望に合う生地のスワッチを用意してもらって、その中から選びました。スタイリングとしては、最初にご紹介したクラブジャケットと合わせてもらうと、ネイビー同士でも、真紺ではなくて少し褪せた感じのスタイルになります。やはりミキ・ドラのスタイリングもそうなのですが、僕も40代ですし、ブレンドンも50代なので、若い子達には絶対真似できないような色合いのスタイリングを組んでみたりとか、トーンをきちんと合わせてはいるものの、色で遊べるようなコーディネイトができると思いますね。

続いてボーダーのTシャツを。

M:ボーダーのTシャツもやはりヴィンテージのストライプのパターンを柄/色ともにまずピックアップしました。このボーダーの色は当時のサーフボードで使われているカラーをベースに組んでいて、その上からネイビーのラインをオーバープリントで施しています。このデザインはサーフカルチャーにおけるチームスタイルでよく見られるので、そういったミックス感を1つのTシャツの中で表現しています。意図的にベタッとプリントしているので、着込んでいくうちに割れていったりして、経年変化で変わっていくのが個人的にすごくいいなと。

グラフィックが印象的なTシャツもありますね。

M:今回の“OLD BOY SURF CLUB”のアイコンということで、このロゴをプリントしたTシャツを製作しました。このロゴは豊田弘治さんというアーティストの描いた“ローファーマン”という絵のシリーズが元になっています。実はこの“ローファーマン”のシリーズのうちの1枚を僕が所有していて、自宅の部屋に飾っていたんです。その部屋でオンラインミーティングをしている時に、グラフィックTとかアリかなという話になり、この絵はどうだろうと提案したら、ブレンドンやJ.Crewチームもすごく気に入ってくれて。豊田さんにもお話しして、最終的にプリントTシャツに落とし込むことになりました。豊田さんもサーフアーティストとして本当に日本でも第一人者と言われてるような方なので、実現できて良かったです。

これは今回のために豊田さんが描き下ろしてくれたんでしょうか?

M:これはほぼ原画そのままで、色は少し変えてもらっています。実は2年前ぐらいに、BEAMSの神戸店でローファーマンを使って、豊田さんのアートのカスタムオーダーショーというイベントをやっているんです。そのイベントはローファーの色とトランクスの色をリクエストして、豊田さんに描き下ろしてもらう、といった内容でした。そして今度、台湾でBEAMS PLUSのイベントを大々的に行う予定なのですが、その時には豊田さんに新たに描き下ろしてもらったローファーマンの絵を額装して、10点限定販売します。それぞれローファーの色、トランクスの色、バッグの色が全て異なる作品なので、楽しみにしていてください。

最後は小物類ですね。

M:小物はベルトと、コーデュロイのキャップを用意しました。まずベルトの色は、繰り返しになりますが、今回のコレクションで使われているカラーにハマるような色組みで構成しました。キャップに関しては、すごく細かい話になりますが、僕自身がキャップはストレートバイザーしか被らないこともあってそのリクエストを伝えたりとか、スナップバックのスタイルにしてもらったり、あとはアメリカ製で作れるということだったので、現地で生産をお願いしました。ちなみに、フロントに刺繍されているのは、ブレンドンの好きなサーフスポットの名称ですね。刺繍の色にもこだわっていて、“J.Crew グリーン”でロゴの人物の刺繍が後ろに入っています。ネイビーのボディだけ赤の刺繍になっていますが、この辺の配色も僕らで決めさせてもらっています。

これで全てのアイテムが揃いましたね。J.Crewとの2回目のコレクションの制作が終わって、彼らとのコラボレーションはいかがでしたか?

M:そうですね。1回目、2回目とも最初にJ.Crewチームからコレクションのコンセプトボードが届きました。本来そのままもらったものをベースに、洋服に当て込むことも全然コレクションの作り方としてはあるんですけど、やはりもう1回こちらであらためて組み上げて、相手がアイデアを投げてきたタイミングで、じゃあ僕らがどういう風に返すか、というやり取りができる関係性を築けたのは良かったと思っています。僕らはやはりセレクトショップと言われるカテゴリーに属しているので、基本的にブランドとの別注みたいなものを作りたいとか、それをたくさんの人たちに届けたいと言う思いが常にあるんです。これまで色々なブランドやデザイナーの方に対して、企画書を作ってこういう別注アイテムを作って欲しいとお願いしてきました。それでその後デザインがあがってきたり、サンプルができたりすると、うわ、こんな感じになるんだっていう驚きがありました。企画をしてる側、バイイングをしてる側としては、良い化学反応が起こったなと感じる経験が何度もあったんです。だったら僕も仕事を依頼される側になった時に、そういった返しができるようになりたいという思いがあったので、J.Crewとのコラボレーションではそのようにやり取りさせてもらっているという感じです。

最後の質問です。そもそもなんですが、最初にJ.Crewとの取り組みが決まったきっかけを教えてください。

M:僕が昔からブレンドンの大ファンなんです。彼は自分がファッションを好きになるきっかけを作ってくれた人物なので、その人と一緒にコレクションが作れることは、夢のようですね。ブレンドンはスケートに根ざしたカルチャーをファッションに上手に取り入れた人だと思っています。彼がSupreme在籍時に作っていたものは、シンプルなんですけど、誰が着てもそれぞれの個性が引き立つようなアイテムで、僕はそこに憧れていました。また、J.Crewも同じくアメリカンスタイルに対する敬意があるので、とてもいいコラボレーションになると思ったことがきっかけです。ちなみに、ブレンドンがJ.Crewのディレクターになるというニュースは、『Hypebeast』の記事で知ったんですよ(笑)。

なんと(笑)。コラボレーションの裏にはそんな背景があったんですね。『Hypebeast』がそのきっかけの一つになったのであれば、光栄です。本日はありがとうございました。


〈J.Crew〉x『BEAMS PLUS』 “OLD BOY SURF CLUB”コレクションは、5月10日(金)より〈J.Crew〉の各店舗、5月14日(火)より『BEAMS』の公式オンラインストアおよび『ビームス プラス 丸の内』『ビームス 辻堂』『ビームス 名古屋』『ビームス 神戸』、5月18日(土)より『ビームス 台湾』にて販売予定。詳細については、こちらでご確認を。

J.Crew x BEAMS PLUS
“OLD BOY SURF CLUB” Collection Launch Party
開催日時:2024年5月9日18:00-20:00(現地時間)
会場:J.Crew Store Wythe Avenue
住所:234 Wythe Ave, Brooklyn, NY 11249, United States

本コレクションの発売を記念して、『J.Crew – Wythe Avenue』店にてローンチパーティを開催。当日はDJを招聘し、60年代のサーフ・ロック/サイケデリックな雰囲気を演出予定。

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