Gliiico が Gliiicoであるために | Interviews

注目のバンドの撮り下ろし&インタビュー後編。生まれ育った故郷バンクーバーの思い出からバンド結成秘話まで。3兄弟の絆をはかるエピソードを深掘り

ミュージック
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長男で音楽プロデューサーとしても活躍するギタリストのNico(ニコ)、ムードメーカー的な存在でボーカルを務める次男のKai(カイ)、口数少なく端正な顔立ちで、モデルとしての佇まいにも惹かれる三男のベーシストKio(キオ)。その垢抜けた風貌からさまざまなキービジュアルなどにも起用され、今、国内外のファッションシーンから注目を浴びる3兄弟ロックバンド──それがGliiico(グリコ)だ。

PHOENIX(フェニックス)やKhruangbin(クルアンビン)の来日公演時にサポートアクトを務めるなど実力も折り紙付き。3人の“悲劇”的な体験を題材にした新曲『Tragedy』には、本人からのラブコールがきっかけで、ミュージシャンのCharaが参加した。

飛ぶ鳥を落とす勢いで存在感を増すGliiicoとは? 兄弟でバンドを組んだ理由、カナダ・バンクーバーで生まれ育った彼らがなぜ日本を拠点にするのか、日本人には馴染み深い“グリコ”というバンド名の由来など、インタビュー後編は、謎めくGliiicoの本性に迫った。


Hypebeast:兄弟でバンドを組もうと思ったきっかけは?

Nico:俺は16歳のときからサウンドスタジオで仕事をしていたんだ。ずっとカナダやアメリカをベースに音楽の仕事をしていた。でもコロナでアメリカに戻れなくなって、しばらくカナダに住むことになった。ちょうどその頃、先にKaiとKioが日本に移住していたから、最初は数カ月だけの旅行のつもりで日本に来てみたんだ。それが5年くらい前だったかな。

Kai:Nicoと合流する少し前に、俺とKioで日本に移住したんだ。自分たちのルーツである日本に住んで、両親からサポートを受けずに何かやってみたいと思ったからね。

Kio:僕は子どもの頃に雑誌やインターネットでみた日本のカルチャーに触れてみたくてKaiと一緒に日本に来た。

Nico:最初はKaiの住んでいたアパートに泊まっていたんだけど、日本には友だちもいないし、カナダやアメリカの友だちとは時差でなかなか連絡が取れないから、つまんなくて……。それで曲を作ることにした。誰かに提供するために作ったんじゃなくて、暇で暇で、なんとなく作り始めたんだ。ある夜、帰宅したKaiに「ちょっと歌ってみてよ」って感じで歌ってもらったら「なんかいいじゃん!」って。そうして少しずつ録音しながら出来上がった曲が(2020年3月にデビューシングルとしてリリースした)『Around』だった。

Kai:俺はそのとき酔っ払っていて記憶があまりないんだ(笑)。でも俺、歌うの下手だなと思ったのだけははっきり覚えている。今日じゃなければもっといけるのにと悔しくて、次の日から毎晩、歌うのを頑張ることにした。みんなの前でも歌えるように。

それまではボーカルの経験はなかったのですか?

Kai:シャワールームや車の中で歌うぐらいしかなかったな。

Kioさんは音楽の経験は?

Kio:僕もなかった。だけど、もともと音楽は好きだったし、いつもNicoがスタジオに入っていたから、僕らも一緒に入れてもらったりしていて、音楽が身近にあったんだ。

兄弟だからこそできることって、ありますか?

Nico:それはやっぱりあると思う。これまでさまざまなアーティストの曲を作ってきたけど、俺らは好き嫌いも似ているから、いいと思うものもよくないと思うものも同じなんだ。だから仕上がりが全然違う。

Kio:脳みそが一緒なんだよ。

Kai:だから、スタジオにこもっていても喧嘩をしないし、誰か1人が「ここはちょっと違うんじゃない?」と言うと、他の2人も絶対に同じ気持ち。言葉にしなくても通じるものがある。

バンドをはじめてから変わったなと思うことは?

Kai:毎日3人で会うようになったことかな。それが一番変わったこと。Nicoは俺の3歳年上で、Kioは1歳年下。学生のころはすごく歳の差を感じていたし、カナダでは一緒に住んでいても顔を合わさないことがよくあった。バンド結成前は喧嘩もよくしていたかも。でも兄弟ってそんなもんだろ? だから今はめっちゃ仲良いよ。

Nico:日本に住んでからは3人で一緒に住んでいる。今はさすがにそれぞれの部屋があるけど、小さい頃に一つの部屋で過ごした記憶が蘇るよ。

そもそもバンド名のGliiico(グリコ)の由来は、あのお菓子の“グリコ”からなんですよね?

Nico:俺たちが育ったのは、カナダのバンクーバーから船で1時間くらいの場所にあるビクトリアという小さな島なんだ。静かでとてもいい街だよ。俺たちは小さい頃に3人とも極真空手を習っていて、その空手道場の近くに『フジヤ』というコンビニのようなお店があった。練習が終わったあとは、いつもそこでおやつを買ってもらっていたんだ。その店には、ポッキーとかミルキーとか、日本のお菓子がたくさん置いてあって、俺たちが触れた最初の日本のカルチャーだった。その店にグリコのカレーが売っていて、あのイラストが描いてあった。俺たちにとってはそれがノスタルジアで、バンド名に使った。「i」が3つ並んでいるのは、3人を意味していて、「i」のドットが頭に見えるから。

3人がそれぞれ、今気になっていることはありますか?

Kai:俺は今気になっている人がいる(笑)。

2人:Wow!(拍手)

Kio:次のアルバム制作の準備で今月(10月)、2〜3年ぶりにカナダに戻るんだ。これまではカナダ行きの飛行機のチケット代が高くて、なかなかチャンスがなかった。でも今回はバンドの力で帰れることになったのがすごくうれしい。もちろん仕事もするけど、おばあちゃん家に行くのをすごく楽しみにしている。リラックスして、いいインスピレーションになると思う。

Nico:俺は子どもの頃からアーセナルを応援しているんだけど、チームがイタリア代表DFのカラフィオーリ(Calafiori)を獲得したことかな。活躍が楽しみだね。

ちなみに、極真空手は誰が一番強かったんですか?

3人:(お互い顔を見合わせて)うーん、誰だろう……?

Nico:俺は一度大会に出たけど、女の子にボコボコに負かされて、めっちゃ泣いたのを覚えている。“Tragedy(悲劇)”な思い出さ。

グリコがグリコであるために(後編) | Interviews Gliiico Interviews part 2

Gliiico
長男のNico(ギター)、次男のKai(ボーカル)、三男のKio(ベース)からなるロックバンド。スペイン系フィリピン人の父と日本人の母を持ち、カナダ・バンクーバーで生まれ育つ。2019年に日本に拠点を移し、翌年ファーストシングル『Around』でデビュー。昨年3月にはPHOENIXのサポートアクトを務め、話題となった。9月27日にサードシングル『Tragedy』をリリース。

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テキスト
フォトグラファー
Utsumi
スタイリスト
Atsushi Tanabe
メイク
Tomoe / Artifata
ヘアスタイリスト
Hiroshi Morimoto / Artifata
Writer
Yuki Koike
Fashion Direction
Noriaki Moriguchi / Hypebeast
プロデューサー
Sachiko Tsutsumi / Hypebeast
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