Marni の新クリエイティブディレクター メリル・ロッゲに5つの質問 | Interviews
静かに、しかし確実に動き出した〈Marni〉の新章。このブランドを率いるメリル・ロッゲが初来日。特別なカクテルの場で行われた今回のインタビューでは、彼女が考える“Marniらしさ”などを聞いた。
〈Marni(マルニ)〉の新たなクリエイティブディレクター メリル・ロッゲ(Meryll Rogge)が、2026年秋冬コレクションでブランドデビューを果たした。創業者 コンスエロ・カスティリオーニ(Consuelo Castiglioni)以来、初の女性クリエイティブディレクターとして迎えられた彼女は、ブランドの原点とも言えるエキセントリックさと日常性のバランスを再提示しながら、新たなフェーズへと導こうとしている。
アントワープ王立芸術アカデミー出身のロッゲは、ドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)やマーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)のもとで経験を積み、ヴィンテージへの深い造詣とクラフトマンシップをベースに、独自のデザイン哲学も持つ人物だ。そのビジョンは、今回のデビューコレクションにおいても明確に現れていた。
そんな彼女が初来日を果たしたタイミングで、短いながらもインタビューが実現。『Hypebeast』はまず、『Instagram』のコンテンツ用に、新生〈Marni〉の注目アイテムや、象徴ディテールなどの質問を投げかけた。
そして、このカクテル会場の上の階にて、〈Marni〉の現在地と未来を探るべく、追加でさらなる5つの質問を伺った。“第3のMarni”とも言える新章を担う彼女の言葉から、その輪郭が少しずつ浮かび上がってくる。
Hypebeast:メルル・ロッゲさんにとっての“Marniらしさ”とは何でしょうか?
Meryll Rogge:Marniに共感してきた人々には、いくつか共通点があると思っています。それは、自立した視点を持ち、それぞれが強い個性と意見を持っているということ。さらに、カルチャーやアート、そして社会を形づくるあらゆる要素に対して敏感であることです。つまり“Marniらしさ”とは、単なるファッションにとどまらない、アート・カルチャー・社会などを含んだ“広い価値観の範囲”の中で成立する感性だと考えています。
初めてクリエイティブを手がけた2026年秋冬コレクションで、最も強く伝えたかったメッセージは何ですか?
シーズンの初期段階から、「何を伝えるべきか」はチームで何度も話し合いました。その中で重要だったのが2つの軸です。ひとつは、Marniのビジョンやスピリット、DNAがしっかりと受け継がれているという安心感を示すこと。そしてもうひとつは、“驚き”を提示することです。これは新たな章の始まりであり、いわば“第3のMarni”の最初の一歩。だからこそノスタルジーに留まるのではなく、これから先、そして現代の観客に向けた提案を意識しました。
「Marniマン/Marniウーマン」とはどんな人物像でしょうか?
Marniの人物像とは、自立したマインドを持つ人です。誰かのためではなく、自分自身のために服を選び、それがそのまま個性の表現になっている。自信があり、世界に対して興味を持ち、そして強いアーティスティックな感覚を持っている人物だと思います。
今回のショーの中で、個人的に最も好きなルックはどれですか? またその理由は?
それは本当に難しい質問ですね(笑)。どれか一つを選ぶのは、まるで自分の子どもの中から一人だけ選ぶようなもの。すべてに思い入れがあるので、正直ひとつには絞れません。
メリル・ロッゲさんが描く、これからのMarniの時代とはどのようなものになるのでしょうか?
今回のコレクションは、あくまでビジョンを提示する最初のステップにすぎません。これから多くのシーズンを重ねる中で、Marniが持つ意味をより広い形で提示していきたいと思っています。Marniはこれまでにもさまざまなフェーズと解釈を経てきたブランドです。その柔軟さこそが魅力であり、新しい表現を探求する自由を与えてくれる。今後はその可能性をさらに広げながら、新しいクリエイティブのかたちを見せていきたいですね。
メリル・ロッゲ(Meryll Rogge)
ベルギー出身のファッションデザイナー。アントワープ王立芸術アカデミーを卒業後、〈Dries Van Noten(ドリス・ヴァン・ノッテン)〉や〈Marc Jacobs(マーク ジェイコブス)〉にてキャリアを積む。ヴィンテージへの深い造詣とクラフトマンシップを軸に、遊び心と実験性を併せ持つ独自のスタイルを確立。2025年、〈Marni〉のクリエイティブ・ディレクターに就任し、2026年秋冬コレクションでデビューを果たした。ブランドのDNAを尊重しながらも、新たな視点で再解釈する“第3のマルニ”を提示している。



















