サッカー日本代表、田中碧を特別シューティング&インタビュー(後編)
ファンタジスタでありファッショニスタである田中碧を『Hypebeast』が特別に撮り下ろしたファッションストーリー。また、今回モデルを務めた田中碧に、ジャーナリストの了戒美子がインタビュー。後編は、田中碧のサッカー観について








チャンスがあるのであれば挑戦したい
田中の2023年前半は、側から見れば受難の時期だった。昨年末のカタールW杯スペイン戦では、小学校時代からともにプレーする三苫薫のいわゆる“三苫の一ミリ”をアシストに得点。日本中の誰もが知る存在となった。以降は、所属するドイツブンデスリーガ2部フォルトゥナ・デュッセルドルフでも安定的に試合に出場。デュッセルドルフのティウネ監督から自由を与えられ、ボールを多く触りながらリズムを作ることができる、ミッドフィルダーとしての信頼と喜びを得ながらプレーしていた。だからこその課題もわかっていた。
「得点機会もたくさんあったので、結果を出したかった」
得点やアシストという数字としての結果を求めていた。だが4月、右ひざを負傷。2022/23年シーズン終盤はピッチから離れることになった。
「落ち込んでもいないし、怪我するときはどんなタイミングでもイヤなので。特別今回がどう、ということはなかったですね」
少し長いリハビリに励み、7月に始まる新シーズンに備えた。デュッセルドルフで3シーズン目を迎える田中には、より上位のクラブや他国リーグへの移籍も噂されている。このテーマに対しては、本人は明確な思いを持っている。
「いつどんな時でも上に行きたいというのは、どの選手でも持っている気持ちだと思う。今に限らず、チャンスがあるのであれば挑戦したいという思いはあるので。そんな希望は持ちながら、でも今現実になるかは別に置いておいて」
田中がより大きな舞台で輝く日を待ち望んでいるのは、本人だけではない。
田中碧(プロサッカー選手)
1998年生まれ。神奈川県出身。小学生時代から川崎フロンターレの下部組織で育ち、同クラブでプロデビュー。2021年ブンデスリーガ2部のフォルトゥナ・デュッセルドルフに移籍。