“夢はすでに叶っている”というエネルギーを込めて ── 11 最新シングル『DREAMS COME TRUE』リリース記念インタビュー

メッセンジャーである彼女がリスナーに捧げる、成就した世界線へ繋ぐための作品

ミュージック 
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『Hypebeast(ハイプビースト)』の展開する音楽ディストリビューション・レーベルブランド「Hypetrak(ハイプトラック)」から、福岡を拠点に活動するアーティスト 11(イレブン)の最新シングル『DREAMS COME TRUE』が12月5日(金)にリリースされた。

最新シングル『Theory of Art』のリリースを記念した前回のインタビューにて、独自の芸術論とマインドセットを語ってくれた彼女。

本作に込められたのは、「夢は叶う」という未来への渇望ではなく、「夢はすでに叶っている」という現在進行形のエネルギーだ。制作過程では、いわゆる“引き寄せの法則”といわれる信念を再解釈し、リスナーを成就した世界線へ繋ぐための作品に仕上げたという。

また、本作では彼女がメッセンジャーであることから、あえて他作品よりもリリックに日本語を多用。抽象的な概念を具現化し、リスナーに寄り添うために言語的アプローチの変化を取り入れている。今回『Hypebeast Japan』では、制作過程やインスピレーション源、カバーアートに込められた意味など、『DREAMS COME TRUE』の全貌に迫るべく再び彼女にインタビューを実施した。


Hypebeast:まずは今回のタイトルである“DREAMS COME TRUE”に込められた意味を教えていただけますか?

11:このタイトルには、“夢は叶う”という未来の話ではなく、“もう叶っている”という意味を込めています。「夢は叶う」と言うと、エネルギー的にはまだ叶っていないという意味になってしまうんですよね。これは“引き寄せの法則”などの考え方に基づいているんですが、今夢を叶えたい人たちに「もう夢を叶えている」という軸に自分を置いて聴いてほしいと思い、このタイトルに決めました。

7月のアルバムから約5カ月という短いスパンでのリリースですが、今回の新曲の制作期間はどのくらいだったのでしょうか?

私はいつも多くの曲を作るのですが、作っても「今出すタイミングじゃないな」と感じて出さない時もあるんです。今回の“DREAMS COME TRUE”もそのひとつだったのですが、最近聴き返してみたら「これから冬になる今のタイミングにすごくあうな」というビジョンが見えたので、前作のアルバムの後に出すことにしました。

制作期間に関しては、この曲はすごく早かったです。CETLOからビートをもらい、その後30分以内にフリースタイルで録ったものがベースになっています。なので、制作時間は1時間半から2時間くらいです。

すごいですね。以前のインタビューでもお話しされていたかもしれませんが、制作期間は毎回そのくらい短いのですか?

そうですね。本当に何か伝えないといけないものや、強い世界観ができている場合は、口を開けばすぐに出てきます。逆に、何も伝えるタイミングではない時は、1カ月、2カ月、3カ月と頑張ってやっても出来上がらなかったりします。1時間や30分で出来上がる曲は、すごく素直に自分の中から出てきてくれる。なので、すごく時間がかかってできない時もあるし、できる時は本当に早いです。

次に、今回なにかインスピレーション源となったものがあれば教えてください。

これまで私はアブストラクトなコンセプトや、目に見えないマインドセットなどを歌っていることが多かったんです。ですが、今回は五感で感じる“目に見えるもの”を言葉にしてみることに挑戦しようと思いました。なので、アスファルトなど、具体的なものの名前を出して歌っています。

インスピレーションというと難しいのですが、シーンとしては、私は夜中に車に乗ってドライブをする時間が落ち着く瞬間として好きなので、ドライブ中に聴きたくなるような曲をイメージしていて。“紫色のネオンが光る夜中のトンネルの中で聴いたら1番気持ちいい曲”というコンセプトを決めて制作しました。

今回は“目に見えるもの”を言葉にするという、いつもと違うアプローチだったとのことですが、制作過程で難しかった点はありましたか?

そうですね、目に見えるものを言葉にすることに慣れていなかったのと、この曲はいつもよりも日本語が多いんです。私は普段、英語の方が得意で、日本語は礼儀正しく喋る際などのコミュニケーション方法として使ってきたので、自己主張をする時にはあまり使わずにいました。なので、自分のことを表現したりアートを作る時に日本語を使うのは、少しぎこちなくなる時があります。今回は日本語でスムーズに、カタコトにならず、ぎこちなくならないように言葉を紡いでいくのが少し大変でしたね。

得意ではない中で、今回あえて日本語を多めにした理由はあるのでしょうか?

日本で活動して2、3年音楽をやっている中で、やはり日本のオーディエンスの方達が理解できる言語を使うことは、理解できない言語を使うよりも“孤独”を感じさせないのではと思ったんです。「迎えに来なくていいよ、私がそっちまで行くからそこにいて」という感覚で作りました。その方が聴き手側もスッと入ってくるだろうし、実際にそう言ってくれる人たちも多くて。

私はボーカリストというよりも、メッセージを伝える“メッセンジャー”であることをメインにしているので、そこを大切にするためには、同じ言語を喋ることが大事だなと思い今回は日本語を多めにしました。

それは今回に限らず、これからも日本語を多めにしていくビジョンがあるのでしょうか?

そうですね。普段の私は“ジャパングリッシュ”というか、日本語と英語がわかるバランス配分で混ぜる話し方をするんです。ナチュラルに両方を混ぜれば、英語がわからない方でも何と言っているか理解できるようになっていくと思っていて。フル英語というのは日本での活動においてあまりチャレンジにならないので、これからは英語と日本語のバランスをうまく取った言語的アプローチをしていくつもりです。

この曲を聴いた人たちに受け取ってほしいメッセージはありますか?

この曲には“Fulfillment(充足感/達成感)”のエネルギーが詰まっています。また“引き寄せの法則”の話になりますが、1番早く物事や状況を引き寄せる方法は、もうすでにその場所にいて、その時に感じるものを妄想して体で感じることなんです。

音楽は“お薬”とも言われますが、そのために作られている側面もあると思います。なので、もし叶えたい夢があるなら、この曲を聴いて“もうすでに夢は叶った”という状況に自分を持っていくためのツールとして使ってほしいですね。

この曲の中で特に気に入っているフレーズはありますか?

今回は目に見えるものを言葉にしているので、歌詞の途中にはあまりメッセージ性を込めていないのですが、最後の最後に曲のビートが変わってフェードアウトする部分は気に入っています。先ほどもお話ししたように、“Dreams Come True”というフレーズが過去形ではなく現在進行形であるという点に、1番メッセージを込めていますね。

今回のカバーアートについてもお聞きしたいです。以前のアルバムはアートチックなものでしたが、今回は11さん自身の姿が躍動感ある形で写っています。撮影する際のコンセプトは決めていましたか?

今回は五感を歌っているので、アブストラクトな絵ではなく、自分を使った写真にしました。ぼやかしている感じは、“ムーブメント(躍動感)”を表しています。夢を叶えている途中や叶えている時は動きがあるので、その感じを出したくて。衣装は、夜のドライブのアウトフィットをイメージして、全身黒のレザー素材を使ったアイテムで揃えています。

背景のカラーも印象的なパープルですが、この色を選んだ理由は?

ミュージックビデオと曲のビジョンをした時に、直感で見えた色が紫だったんです。地に足がついているけれど、まだ起こっていないことや引き寄せ、見えないエネルギーの世界を歌っている曲なので、そのエネルギー界の色を宿しています。

紫というのは、11さんの中でそのエネルギー界の色という認識なんですね。

そうですね。紫って、マジカルというかミステリアスで、あまり掴めない感じの色だと思うんです。赤だったら情熱、黄色だったら元気、緑だったら落ち着くとかあると思うんですけど、紫はすごくハイレベルな色であまり掴めない。だからこそ、その見えないエネルギーを表していると思います。

スタイリングはご自身で決められたのでしょうか。また、自分がカバーに写る時のスタイリングの基準などはありますか?

基本的には、毎回自分で決めていますね。写真撮影の衣装は、着てみた時に自分のエネルギーが1番ナチュラルで真っ直ぐに出るもの、日常でも着ていて心地が良いものを選びます。自分が写っている写真を使う場合は、ほとんどが私服です。どんなに作り込んだ写真を出しても、“いつもの自分はこうじゃない”と分かっていると、内側からの自信が出ないんです。自分の中で信じきれていないと何かが違うなと思うので、自然体でリラックスした感じで写るようにしています。

今回、アーティスト写真も一緒に変更されていますが、このタイミングで変えた理由は?

前回アーティスト写真を変更してから時間が経っていて、いろいろ変わっていたことが大きいです。今回、いい機会だと思って変更することにしました。新しいアーティスト写真は、カバーアートと同じタイミングで撮影されたものです。

最後に、今後予定しているプロジェクトや、次回作の予定があれば教えていただけますか?

来年、これまで関わってきたアーティストや、ライブやイベントで出会ったアーティストたちとフィーチャリングをしたアルバムのリリースを予定していて。今までフィーチャリングをあまりしたことがなかったのですが、次作は自分の音楽を始めてから関わってきた人たちへの感謝や、できた繋がりを循環させるアルバムにしたいと思っています。


“夢はすでに叶っている”というエネルギーを込めて ── イレブン最新シングル ドリームズカムトゥルーリリース記念インタビュー hypetrak 11 dreams come true interviews

アーティスト:11
タイトル:『DREAMS COME TRUE』
配信日:12月5日(金)
配信リンク

Video Produced by 0rigin.
Producer:KAI7EI(CETLO)
Director / Edit:Ruth Azuma
Director of photography / Color:Kouki Mutou
Lighting Director:KEiGO
Lighting Assistant:Rintaro Yoshino

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