アントシアニンを豊富に含んだパープルカラーの遺伝子組み換えトマトが誕生
癌になりやすいマウスの寿命が約30%伸びたとか

米国農務省(USDA)が、通常のトマトより約2倍の保存期間を誇るパープルカラーの遺伝子組み換えトマトを承認し、話題を呼んでいる。
生化学者のCathie Martin(キャシー・マーティン)率いる「Norfolk Plant Sciences」が開発したこのパープルトマト。Martinは、約20年間続けてきた花の色素細胞の研究を通して、ブルーベリーやブラックベリーなどに多く含まれるアントシアニンが活性酸素を除去・抑制する抗酸化作用を高めることに興味を抱き、その栄養素を豊富な新しいトマトを開発することに決めたという。2008年に発表された論文によると、癌になりやすいマウスの食事にこのパープルトマトを加えた後、寿命が約30%長くなったとのこと。Martinは、「目的が1つしかない薬とは違います。抗酸化能力を持つことが重要です。マイクロバイオームの組成にも大きな影響を与える可能性があるため、他の栄養素の消化にうまく対処できるようになります」とコメントしている。
「Norfolk Plant Sciences」は現在、2023年に米国のスーパーマーケットにて販売できるよう、FDAの承認と商品化を検討中。世界中に流通するまではもうしばらく時間がかかりそうだ。