NASA がイーロン・マスクの SpaceX に ISS への5回分の有人飛行契約を2000億円超で発注
2030年までの14回にわたる全ミッションを合わせると「NASA」は「SpaceX」に約6,870億円以上を投じることに
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「NASA((アメリカ航空宇宙局)」はElon Musk(イーロン・マスク)がCEOを務める「SpaceX(スペースX)」に、宇宙飛行士を国際宇宙ステーションに輸送する5つのミッションを発注した。「NASA」は6月に「SpaceX」から新しいミッションを購入する意向を明らかにし、“CCtCap(商業乗員輸送開発)”の契約に基づいてその費用を負担することになった。
5回のフライトと関連サービスの費用は、「NASA」が14億3,643万8,446ドル(約2,000億円)を負担する。その対価として、「SpaceX」は地上、打ち上げ、軌道上、帰還・回収の各業務を担当し、更に各ミッションの貨物輸送と、ISSにドッキングしている間のライフボート機能の能力も担うことになる。
これらの飛行を含めると、民間企業である「SpaceX」はISSへの有人飛行ミッションを少なくとも14回担当することになり、「NASA」はISSへの飛行を2030年まで中断せずに継続できる。14回にわたるこれらの全ミッションを合わせると、「NASA」は「SpaceX」に49億ドル(約6870億円)以上を投じることになる。
「NASA」の宇宙飛行士らは2020年以降、ISSへの飛行に「SpaceX」の宇宙船“Crew Dragon”を利用してきた。「NASA」は2011年に独自のスペースシャトルプログラムを終了しており、今後は成長しつつある商業宇宙産業をさらに活用する計画だ。2014年には、この計画を具体化する2件の大型契約を結び、“Starliner(スターライナー)”を製造する「Boeing(ボーイング)」社に42億ドル(当時のレートで約4500億円)、“Crew Dragon”を製造する「SpaceX」に26億ドル(同約2800億円)を提供していた。
同社がクルー輸送の認可を受けたのは2020年だが、これからの5つのミッションは2030年までの間に、Crew-10、Crew-11、Crew-12、Crew-13、Crew-14としてフライトを打ち上げる予定だ。