日没をイメージした MARNI 2023年春夏コレクションをプレイバック
米ニューヨークでの初コレクションではボディラインを強調した色鮮やかなショーピースが登場
クリエイティブディレクター Francesco Risso(フランチェスコ・リッソ)の手掛ける〈MARNI(マルニ)〉は9月10日(現地時間)、ニューヨーク・ファッションウィークにて2023年春夏コレクション “SUNSET”をランウェイ形式で発表した。同メゾンがイタリア・ミラノ以外でコレクションを発表するのは、今回が初めてとなる。
〈MARNI〉は2016年に創業デザイナー Consuelo Castiglioni(コンスエロ・カスティリオーニ)の後任としてFrancesco Rissoがクリエイティブ・ディレクターに就任して以来、素材や色への実験的なアプローチを続け、他に類を見ない独創的なコレクションを発表してきた。彼のユニークなビジョンに世界中の数多くのクリエーターが共感し、幅広いファンを獲得している。
ブルックリン・ブリッジのたもとで行われたショーには、Kendall Jenner(ケンダル・ジェンナー)をはじめ、ラッパーのFlo Milli(フロー・ミリ)やIann Dior(イアン・ディオール)、シンガーソングライター Moses Sumney(モーゼス・サムニー)、そして日本からは俳優の水上恒司といったセレブリティーが多数来場。また、フロント・ローにはAnna Wintour(アナ・ウィンター)はもちろん、Doja Cat(ドージャ・キャット)やMadonna(マドンナ)も姿を見せるなど、〈MARNI〉への注目度の高さがうかがえる豪華な顔ぶれが集結した。
日没とともにDave Hayes(デヴ・ハインズ)の書き下ろした楽曲をThe String Orchestra of Brooklyn(ザ・ストリング・オーケストラ・オブ・ブルックリン)が演奏し、幻想的な雰囲気のなかでショーがスタート。オーケストラにはFrancesco Rissoも参加し、ショーの間中チェロを演奏するというサプライズもみられた。ランウェイには年齢や性別、国籍、肌の色、体型の異なるモデルが最新のコレクションを纏って登場。太陽にインスパイアされたというショーピースは、鮮やかな色彩とモデルの身体を際立たせる大胆なシルエットが目を引く。カラーパレットはオレンジやレッド、イエロー、ブラック、ブルー、ホワイトとパート毎に変化していき、終盤にはロンドンを拠点とするアーティスト Flaminia Veronesi(フラミニア・ヴェロネシ)の描いた“日没直後の虹”を表現したレインボーカラーのピースがお披露目された。
ショーノートに記載された一文「日没は地平線上で起こる太陽の現象ではなく、空に火を灯す肉体の現象である」をそのまま体現したかのようなコレクションは、人間の身体の美しさを讃え、多様性を歓迎する〈MARNI〉のビジョンを明確に打ち出したステイトメントと言えるだろう。