米国税関が米メンフィスに送られた3,000年前のエジプトの遺物を押収
送り主がその内容物と申告価格について矛盾した陳述をしたため

「U.S. Customs and Border Protection(米国税関・国境警備局)」は8月17日(現地時間)、ヨーロッパからアメリカ・テネシー州のメンフィスに発送された貨物の中から、3,000年前の物とされるのエジプトの遺物を押収した。
顔が彫られた石と思われるこの遺物は、何を隠そう壺のフタ、である。 Canopic Jar(カノプス壺)とも呼ばれ、葬儀の神、Imsety(イムセティ)が描かれており、壺はかつてミイラの内臓を入れるのに使われていた。連邦捜査官は、メンフィス大学エジプト美術・考古学研究所と協力して、この品物がエジプト第三中間期(紀元前1069年から紀元前653年まで)のものであることを確認し、この蓋は3,000年も前のものであると言うその真正性を証明した。
「U.S. Customs」の声明によると、この遺物は1983年に制定された考古学的資料の輸入に関する二国間条約によって保護されているとのことで、米国への輸入が禁止されているものに該当するという。身元と所在地が明らかにされていない送り主は、品物の内容と価値の陳述に関して“矛盾した”書類を提出したため、その貨物は押収され、さらなる調査のためにHomeland Security Investigations(国土安全保障省捜査局)に引き渡されたようだ。 どのような経緯かはっきりしてないが、送り主と受け取り主の間で秘密の取引があったことは窺い知れる。