Apple Car の開発プロジェクトは暗礁に乗り上げている?
主要エンジニアの離脱が響きテスト走行の失敗も噂される

「Apple(アップル)」のCEOであるTim Cook(ティム・クック)が、2015年に自動車で使用するための自律走行技術を開発していることを公表して以来、Apple Car(アップル カー)の噂は瞬く間に広がっていったわけだが、“Project Titan”と呼ばれるこのプロジェクトが暗礁に乗り上げているのでは、との噂が広まっている。
実際「Apple」と自動車メーカーとの間にいくつかの提携が結ばれてきたのは事実で、「Volkswagen(フォルクスワーゲン)」「日産」「Hyundai(ヒョンデ)」「Mclaren(マクラーレン)」および中国の電気自動車メーカーなどの名前が上がっていた。またApple Carには運転操作のためのハンドルやペダルがなく、乗員が向かい合って座るリムジンのような車内設計になるのでは、との予測も立てられていた。
しかし“Project Titan”は順風満帆とは言えない状況のようで、2019年には「Apple」はリストラの一環として、このプロジェクトに携わる約200人の従業員を解雇している。また主要なエンジニアが離脱したり、最近では「Tesla(テスラ)」の役員で自動運転支援システム「オートパイロット」のディレクターを務めた Christpher J Moore(クリストファー・J・ムーア)が2021年11月にAppleへ入社し、自動運転システム担当ディレクターを務めていたが、彼はわずか6カ月で「Apple」を退社したという。
また、「Apple」の自動運転車のいくつかのプロトタイプは2021年の夏にモンタナ州で自律走行車のテスト走行を行ったと報告されているが、車は縁石にぶつかり、車線を維持するのにも苦労し、道路を横断していたジョガーが危うく轢かれそうになった等々、「Apple」の自動運転技術の最初のテストは計画通りに進まなかったとされている。このような噂が伝えられたことにより、「Apple」の自動運転AIは安全走行が可能なレベルとは程遠く、テストの失敗は“Project Titan”にとって致命傷となる可能性も取りざたされるわけだ。
このような状況ではあるものの、自動車メーカーが米国の安全規制当局に提出した報告書によると、11カ月間に起きた自律走行技術による約400件の事故のうち、273件に「Tesla」車が関与していたとされている。そう考えると、Apple Carプロジェクトはまだ道半ばではあるものの、目標とされている2025年までに自社の自動車を公道で自動運転させるとの計画は着実に進んでいるのかもしれない。