140年の歴史を持つ寝台特急列車 Orient Express の新型車両が公開
豪華な内装と共にイタリアを巡るラグジュアリーな旅は2025年に出発進行
1883年に初めて運行が開始されたOrient Express(オリエント急行)は、2009年12月10日運行を最後にその歴史的役割を終えたかに思われていた。しかし、2025年からの再開がアナウンスされ、インテリア・建築デザインスタジオを運営するMaxime d’Angeac(マキシム・ダンジアック)のデザインによる列車の内装がこのほど公開された。
約140年の歴史を持つラグジュアリーな寝台特急列車は、2017年に世界中90か国以上で3,500軒以上のホテルを展開しているホスピタリティ企業の「Accor(アコー)」が50%の株式を取得。そして先頃「SNCF(フランス国有鉄道)」とともに、“La Dolce Vita(ラ・ドルチェ・ヴィータ)”と名付けられたOrient Expressの列車を再運行すると発表していた。
内装は歴史的な客車からインスピレーションを得ており、アールデコの香りが漂う装飾が施されている。パリを拠点に活動するMaximeは「このプロジェクトは、過去の車両、運行ルート、時代背景を徹底的に調査することから始まりました」という。「この素晴らしいプロジェクトの出発点は夢です。1920年代という時代、そしてラグジュアリーな文化とその職人たちへの投影です。その時代のクリエイターたちの中に入り込むことで、この伝説の列車の歴史を再解釈しようとしました。ノスタルジーだけでなく、その歴史を広げ、別の場所に連れて行きたいという思いからです」とコメントとしている。
今年の「デザインマイアミ」で展示される新しい客車を通して、ゲストは豪華な1920年代のタイムカプセルの中に入り込むことになる。現代の列車とは異なり、バー車両、ダイニング車両、スイートルームなどの主要エリアは勿論のこと、廊下やデッキに至るまでのディテールに細心の注意が払われデザインが施されている。ダイニング車両では鏡面仕上げの天井にナッパレザーのテーブル、アームチェア、そして歴史ある列車内で使用されていたオリジナルの照明に基づいたランプが配置されている。スイートルームには、ヘッドボードに木製の刺繍と真珠層とブロンズ製のビーズをあしらい、スライドドアに隠されたバスルームはそのほとんどが大理石で作られているという凝りようだ。
Orient Expressの公式ウェブサイトでは「La Dolce Vitaは、最高級のトリュフを探す旅、トスカーナの中心部を巡る旅、ローマとその周辺を巡るユニークな旅など、素晴らしい旅程のセレクションを通して、あなたをイタリアの中心部へお連れします」との表現でラグジュアリーな旅を提供すると説明されている。この旅の価格は公表されていないが、スケジュールに関しては“Reservations: Opening soon(まもなく予約開始)”とアナウンスされているので、歴史ある豪華な寝台特急での旅を経験してみたい方は見逃さないようチェックしておこう。