現在配信中のマリリン・モンローの生涯を描いた Netflix 作品『ブロンド』に批判が殺到
有名な映画批評家やモデルのエミリー・ラタコウスキーも本作を非難
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つい先日、配信開始された、伝説の女優 Marilyn Monroe(マリリン・モンロー)扮するAna de Armas(アナ・デ・アルマス)主演の『Netflix(ネットフリックス)』オリジナル作品『ブロンド』。本作は、Joyce Carol Oates(ジョイス・キャロル・オーツ)の同名小説を基にしており、結婚、薬物依存など、彼女の人生そのものを映し出した伝記作品となっている。
8月31日(現地時間)から開催されていた第79回「ヴェネチア国際映画祭」でのプレミアム上映では、スタンディングオベーションが起こるほど称賛された同作。しかし、配信が始まると、性的暴行や流産、堕胎など過激なシーンが多いことから、“彼女の痛みを搾取している”といった批判が視聴者から殺到。『The New York Times(ニューヨークタイムズ)』の映画評論家 Manohla Dargis(マノーラ・ダーギス)は、「死姦趣味的なエンタメ」と評価し、「監督は彼女の心の中よりも文字通り体を精査することに興味を持っている。Marilynが36年の人生で耐えなくてはならなかったあらゆる屈辱と恐怖を考えると、彼女を利用した『ブロンド』の低俗さに苦しまずに済んだことに安堵する」とコメント。また、『Los Angeles Times(ロサンゼルスタイムズ)』の映画評論家 Justin Chan(ジャスティン・チャン)は「これはMarilynを描いたものではなく、彼女を苦しめるための作品だ。Marilynを苦しみのアバターにし、彼女の痛みに執着している。だから一瞬彼女に共感する瞬間があっても、それすら彼女を搾取しているように感じる」と書いている。
そんな中、一連の批判を聞いたフェミニストとして知られるモデルのEmily Ratajkowski(エミリー・ラタコウスキー)が、自身の『TikTok』にて「『ブロンド』もまた、亡くなってもなお女性の痛みをフェティッシュとして偏愛する映画だと聞いても驚かない」とコメント。Emilyはまだこの作品を見ていないそうで、女性著名人のマスコミ被害や事件をいくつか例に挙げ「私たちは女性の痛みをフェティッシュとして偏愛するのが大好き。亡くなった女性やシリアルキラーに執着する」と分析した。さらに、これらを踏まえて「それは女性として自分にも言えること。私も自分の人生の中で自分自身の痛みと傷をフェティッシュにすることを学んだ。それはさまざまな形で行われているけれど私はそういう傾向を変えていきたい。私たちはもう少しムカついたり怒ったりする必要があると思う」と前向きに提案。最後には「2022年は私にとってビッチな時期。私たちはみんなそれぞれビッチな時期を持つべき」と締めくくった。
ちなみにこの作品は、Brad Pitt(ブラッド・ピット)の制作会社「Plan B Entertainmen」が手掛けているが、彼とEmilyは先月に熱愛報道が出たばかり。Emilyはこれから作品を視聴し“ムカつく予定”としているが、彼女がどんな感想を語るのか。今後の動きにも注目したい。