イングランド・プレミアリーグが“強力なヘディング練習を週10回”に制限
冷静に考えると、時速100kmを超す約500gのボールを頭で跳ね返すハードなスポーツ
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「Football Association(FA:イングランド・フットボール協会)」は2021-22シーズンの開幕を前に、ヘディングにまつわる新ルールの導入を発表。プレミアリーグをはじめとするプロリーグでは、“強力なヘディングの練習回数を週10回に制限”するという。
「FA」と専門機関は長年にわたり、ヘディングが人体に及ぼす影響の研究を進めた結果、頭部への繰り返しの衝撃が認知症をはじめとする致命的な脳疾患を引き起こすことが判明。また、The University of British Columbia(ブリティッシュコロンビア大学)が2018年に発表したレポートでも、ヘディング後に脳細胞へダメージを及ぼすたんぱく質の血中レベルが上昇することが分かっており、以上のことから新ルールの導入が決まったそうだ。
“強力なヘディング”に該当するのは、“35m以上のロングパス、クロス、コーナーキック、フリーキックからのヘディング(およびシュートブロック)”とのことで、アマチュアレベルでは“ヘディングの練習回数を週10回に制限”、小学生以下は引き続き練習すら禁止になる。
冷静に考えると、時速100km超えで飛んでくる重さ約500gのボールを頭で跳ね返すのはかなりハードである。しかし、ヘディングがフットボールのおもしろさに奥行きを与えているのも事実であり、先日行われた欧州フットボール最大の祭典「UEFA EURO 2020」ではヘディングのゴール数が史上最多となる“24”で、イングランド代表に至っては大会史上初めて1試合で3つのヘディングゴールを決めた国だった。
先日、「FIFA(国際フットボール連盟)」もフットボールの在り方を変えるかもしれない大幅なルール変更を検討しているとお伝えしたが、フットボールは大きな変革期を迎えているのかもしれない。