Mac Miller が Vince Staples との共作『Stolen Youth』で印税の受け取りを拒否していたことが明らかに
誰に言わせても“いい奴”だったMacの人格者っぷりが改めて分かるエピソード

先日、2021年の年間ベストアルバムにノミネートされかねない良作『Vince Staples』を発表したばかりのカリフォルニア・コンプトン出身のラッパー Vince Staples(ヴィンス・ステイプルズ)が、N.O.R.E.とDJ EFNがホストを務めるポッドキャスト『Drink Champs』に出演。親友で、誰もが口を揃えて“いい奴”だったと語る故 Mac Miller(マック・ミラー)の人格者っぷりが改めて分かるエピソードついて語った。
Vince Staplesによると、ほぼ同い年のMac Millerとの出会いはOdd Future(オッド・フューチャー)のメンバー Earl Sweatshirt(アール・スウェットシャツ)による紹介だったそう。この時、Vinceはいくつかのミックステープをリリースしていたものの無名に近い存在で、一方のMacは既にアルバム『Blue Slide Park』で全米1位を獲得していた人気ラッパーの1人だった。
「自己紹介をしたら、『君のことは知ってるよ。ビートは作らないの?というか、何かしらの音楽を作ればいいのに』と言われたんだ。それで『ビートなんか持ってない』って返したら、『じゃあビートを作ってあげるから、金曜日に俺のところまでおいで』って言ってくれたんだ。それがきっかけで俺たちは仲良くなって、一緒に音楽を作るようになったんだ」。
Vinceの才能をいち早く見抜いたMac。その後、2人の友情は発展し2013年にコラボミックステープ『Stolen Youth』をリリース。本作でMacは楽曲に参加するだけでなくプロデューサーも務め、レビューサイトや音楽評論家から軒並み高い評価を獲得し、Vinceの名が広く知られるきっかけに。だがMacは、同作のパブリッシング・ロイヤリティ(印税)の受け取りを拒否し、その権利を丸々Vinceに譲ったそうだ。
「Macは一緒に『Stolen Youth』を作ってくれただけじゃなくて、ツアーのサポートアクトに俺を選んでくれた。そこまでしてくれたのに、パブリッシングも受け取らなかったんだ。『1億円を稼げるようになったら、Mercedes-Benz S-Classか何かを買ってくれよ』って。『Stolen Youth』の権利を譲り、ツアーに連れて行き、寝泊まりする場所を用意し、食事を奢り、ギャラも払った。俺のホーミー(*家族のような仲間)はそんな奴だったんだよ」