東京・天王洲に新たなアートスペース Gallery 地動説が誕生 ── 井田幸昌の新作個展 “ポイエシスの彼方”が開催中
“ヌード”を題材にした最新作シリーズを国内初公開
国内外で活躍を続ける画家・現代美術家の井田幸昌による個展 “ポイエシスの彼方(Over the Poiesis)”が、東京・天王洲エリアに新たにオープンした『Gallery 地動説』にて開催中。会期は2026年8月4日(火)から9月26日(土)まで。
本展は、現代美術シーンの新たな発信拠点として始動した『Gallery 地動説』の記念すべきこけら落とし展。作家が新たな表現の領域として取り組む、ヌードをモチーフとする最新作シリーズが国内で初めて展示される。これまで家族や著名人を描く《Portrait》シリーズなどを通して、一貫して“人間の実存”と向き合ってきた井田幸昌。近年、拠点をロンドンへと移し、戦争や身近な人の死、差別的経験に直面する中で、国籍や文化背景によって人と人との間に境界線が引かれてしまう現実に着目した。
その結果たどり着いたのが、あらゆる社会的・文化的な属性を取り払い、「人間そのもの」を見つめ直すという視点だ。古典的な“ヌード”というモチーフへ立ち返り、写実からの再出発と脱構築を繰り返すことで、自らの絵画表現の根源を問い直した作品群となっている。展覧会名にある「ポイエシス」とは、古代ギリシャ語で「無から有を生み出す行為」を意味する。
SNSやデジタルデバイスの発達により誰もが画像を生成できる時代において、あえて目の前に存在する「生身の人間」と対峙し、その肉体と呼吸を克明に描き留めること。今回の挑戦にあたり、井田幸昌は次のようにコメントを寄せている。
この数年間、拠点をロンドンへ移し、さまざまな国を巡りながら制作を続ける中で、芸術との向き合い方や作品との距離感は大きく変化しました。その変化は決して良いことでも悪いことでもなく、作家としてごく自然な変化なのだと思います。
けれど、その先で改めて強く感じたことがあります。私は、見たものしか描けないということです。
いま、デバイスやSNSの発達によって、誰もがポートレートを生み出し、誰もがポートレート作家になれる時代が訪れました。80億を超える人々が生きるこの世界で、「人を描く」という行為は、かつてとはまったく違う意味を持ち始めています。
だからこそ私は、身体を克明に写し取ることへと立ち返りました。目の前に存在する一人の人間と向き合い、その時間や呼吸、偶然の出会いを描き留めたいと思ったのです。
この広大な世界で、奇跡的に出会うことのできた人々を描いた作品群。その連作の一部を、母国である日本で発表できることを心からうれしく思います。ご高覧いただけましたら幸いです。
井田幸昌
また、美術評論家の南條史生氏は彼の制作について「『絵画とは何か、彫刻とは何か』という問いに対する回答の連鎖であり、この時代、この場所に彼が生きて存在したことの証(実存)につながっていく」と評している。天王洲の新たなアートスポットで、既存の価値観を揺さぶる井田の作品群と対峙してみてはいかがだろう。なお、9月9日(水)には作家本人によるトークイベントの開催も予定されている。
井田幸昌 “ポイエシスの彼方”
会期:2026年8月4日(火)〜9月26日(土)
開廊時間:12:00-17:00
休廊日:日曜・月曜・祝日、8月9日(日)〜17日(月)(*夏季休廊)
会場:Gallery 地動説
住所:東京都品川区東品川2-6-4 G1ビル101
アクセス:東京モノレール 天王洲アイル駅徒歩7分りんかい線 天王洲アイル駅より徒歩7分
主催:エヌ・アンド・エー株式会社
協力:ソニー・ミュージックエンタテインメント
公式サイト【井田幸昌トークイベント】
日程:2026年9月9日(水)
*詳細は決定次第、公式サイトやSNS等で告知
【Artist Profile】
井田幸昌(Yukimasa Ida)
画家・現代美術家。1990 年鳥取県生まれ。2019年東京藝術大学大学院油画修了。2018年『Forbes JAPAN』主催「30 UNDER 30 JAPAN」に選出。2021年〈Dior(ディオール)〉によるアートプロジェクト “Lady Dior Art” #6に参加。2022 年鳥取県文化奨励賞を受賞。2022年、スペイン・マラガのピカソ生誕地ミュージアムにて、アジア人アーティストとして初めて招聘を受け、個展を開催。2023 年には米子市美術館および京都市京セラ美術館にて個展を開催するなど、国内外で継続的に作品を発表している。
公式サイト



















