Fred again.. が手掛けた Dior 2027年夏メンズショーの17分間のオリジナルサウンドトラック
〈Dior〉の世界観を、レイヴカルチャーを想起させる没入感あふれるミックスで表現
Fred again.. が手掛けた Dior 2027年夏メンズショーの17分間のオリジナルサウンドトラック
〈Dior〉の世界観を、レイヴカルチャーを想起させる没入感あふれるミックスで表現
パリ・ファッションウィーク期間中、数々のブランドが最新コレクションを披露するなか、ショーを構成する重要な要素のひとつとして注目を集めているのがランウェイサウンドだ。〈Dior(ディオール)〉の2027年夏メンズコレクションでは、クリエイティブディレクター ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)が、英国を代表するプロデューサー/ミュージシャン Fred again..(フレッド・アゲイン)を起用し、ショーのためだけに制作されたオリジナルサウンドトラックを披露した。
ショー開演前、会場となったパリの『ニッシム・ド・カモンド美術館』には、不穏なノイズがスピーカーから鳴り響いていた。やがて最初のモデルが螺旋階段を降りながら登場し、手にしたスマートフォンをスピーカーへ接続。その瞬間、クラブミュージックが会場を包み込み、ショーは幕を開けた。
今季の〈Dior〉は、レイヴを思わせる高揚感をまとった内容に。会場の地下フロアは、まるでパリの洗練されたハウスパーティーの地下空間を思わせる演出が施され、ランウェイにはディスコボールを想起させるトラウザーズや、トロンプルイユのディテール、解体的なテーラリングが次々と登場した。
その世界観をさらに強固なものにしたのが、Fred again..による17分間のサウンドトラックだ。ショー後に公開されたコメントのなかでジョナサン・アンダーソンは、「以前からFredと仕事をしたいと思っていた。彼は今回のためにまったく新しい楽曲を書き下ろし、リミックスや再レコーディングも行ってくれた」と語っている。
Fred again..のフルのトラックリストは以下の通りだ。
KETTAMA, THE KTNA (produced by Fred again..) – “Summer Never Dies”
Fred again.., Mabe Fratti
Latin Mafia – “y como te digo que”
Young Thug (produced by Fred again..)
Fred again.., Headie One – “Told” (instrumental)
Fred again.., Jamie T, Christine and the Queens
Fred again..らしいエモーショナルなエレクトロニックサウンドを軸にしながらも、楽曲は意図的に途切れたり、スキップしたり、不規則に切り替わったりする構成となっており、一般的なDJミックスのような滑らかな流れとは異なる荒々しさも感じさせた。
その断続的な展開は、完成された美しさだけでなく、予測不能な高揚感や偶発性を内包するレイヴカルチャーそのものを想起させる。煌びやかなコレクションと粗削りなサウンドが交差することで、ジョナサン・アンダーソンが描く新たな〈Dior〉像がより鮮明に浮かび上がった。
ショーノートに記された「Soirée segues into house party. The euphoria of recognition. Yesterday, tomorrow(ソワレはハウスパーティーへと移り変わる。認識の高揚。昨日と明日)」という一節の通り、今回のショーはファッションと音楽、そしてナイトライフが交差するひとつの体験として記憶されることになりそうだ。



















