P.A.M. x Coco Star Sims による最新カプセルコレクションがローンチ
“愛の儀式”を描いたカプセルコレクションと創作の源泉に迫る
ミーシャ・ホレンバック(Misha Hollenback)とショーナ・トゥーヘイ(Shauna Toohey)夫妻の手掛ける〈P.A.M.(パム)〉こと〈Perks and Mini(パークス アンド ミニ)〉が、東京を拠点に活動するビジュアル/タトゥーアーティスト Coco Star Sims(ココ・スター・シムズ)との最新カプセルコレクションを発表した。
キュートでありながらどこか謎めいて、ときに静かな不穏さを漂わせるCocoの作品。その世界観は、優しさと脅威の狭間に存在し、本人の言葉を借りれば「静かな緊張感の中から、美しいものが忍び寄ってくる」ような感覚を持ち味としている。今回のコレクションの中心となるのは、ディープネイビーをベースに鮮やかなイエローでグラフィックを描いたバンダナ。ハートやペイズリー、ポルカドットに加え、Cocoの手掛けるキャラクターたちが複雑に交錯し、その間には異世界からのシグナルを思わせる秘密のシンボルが散りばめられている。
このグラフィックは、愛や求愛をめぐるさまざまな儀式を表現した“ラブ・リチュアル・マンダラ”。フグが砂に模様を描き、ハエトリグモが求愛のダンスを踊り、人間がダイヤモンドを手に跪く ── 異なる生物や次元を横断しながら、それぞれの「愛のかたち」を描いたものだという。「私たちが愛や家族をつくるために経験する、奇妙な儀式について考えていました。みんな愛をめぐって、それぞれの儀式を生み出している。結局のところ、私たちはお互いを見つけるために、小さなダンスを踊っているだけなのかもしれません」とCocoは語る。
バンダナに描かれたグラフィックは、ウィメンズおよびユニセックスのウェアへと展開。異なるボタンとペイズリー柄をあしらった襟付きのショートスリーブトップ、グラフィックをオーバープリントしたメッシュスカートやデニム、バンダナのパネルを組み合わせたストライプシャツ、ハートを散りばめたトップスなど、Coco独自のグラフィック言語が各アイテムに落とし込まれている。また、本コレクションのキャンペーンビジュアルは、彼女と親交の深いカリ・デウィット(Cali DeWitt)が撮影を担当した。
Cocoが持つ「奇妙なもの」と「優しいもの」への関心は、幼少期を過ごしたメルボルン郊外での体験にまで遡るという。そんなCocoの感覚は、長年にわたりトリッピーで異世界的な表現を追求してきた〈P.A.M.〉のクリエイティブとも自然に呼応する。「私たちはどちらも、現実に入った亀裂をすり抜けて、そこから別の世界を探検するような感覚に惹かれているのだと思います」。
〈P.A.M.〉x Coco Star Sims 2026年コレクションは、10月8日(木)より〈P.A.M.〉公式オンラインストアおよび世界各地の一部取扱店にて販売開始。〈P.A.M.〉との関係や創作の背景に迫る、Cocoへのショートインタビューもぜひチェックしてほしい。
Interview with Coco Star Sims
P.A.M.のどんなところが好きですか? また、彼らと一緒に仕事をすることについて教えてください。
人生って、好きな人たちと、好きなことをするためにあるんだと思います。ミーシャとショーナのことが大好きで、2人は私にとって家族のような存在。一緒に何かをつくることができて、本当に楽しいです。ただ楽しくて、気楽で、クール。2人はもちろん、チームのみんなも大好きです。
P.A.M.の誰かが、あなたの作品を「ときどき、静かな不穏さを感じさせる」と表現していました。この感覚を追求するようになったきっかけは何だと思いますか? ご自身の性格も“静かに不穏”だと思いますか?
(笑)そうかも? それについてはミーシャとショーナに聞いたほうがいいかもしれません。私は「優しさと脅威の間」にある空間が好きなんです。静かな緊張感の中から、美しいものが忍び寄ってくる。
私はメルボルンの郊外のかなり奥まった場所で育って、全く周りに馴染めない子どもでした。小さい頃の私は、ほとんどいつもドレスを着た小さなクモのような気分だったんです。人生の背景ではたくさんのことが起きていたけれど、それを誰かに話すことはあまりできませんでした。だから、ほかの人たちが拒絶するようなものの中に、自分の居場所を見つけたんです。人形劇の人形、金属、ノイズ、モンスター、虫、クリーチャー……そういう、別の世界へとつながる奇妙な小さな入り口を発見しました。そこに入り込めば、すべてから消えてしまえるような気がして、完全に心穏やかでいられたんです。
メルボルンから東京へと拠点を移しましたが、環境の変化は作品にどのような影響を与えていますか?
東京にはものすごいエネルギーがあります。ここには、静けさと狂気の間にある、とても興味深いバランスがあると思います。その両方から、すごくインスピレーションを受けています。
そうした感覚は、トリッピーで異世界的、あるいは別の次元を思わせるP.A.M.の世界観と、どのようにつながっていると思いますか?
私たちはどちらも、「現実に入った亀裂をすり抜けて、そこから先を探検する」ような感覚に惹かれているんだと思います。
P.A.M.のプリントに登場するキャラクターや、そこに隠された秘密のシンボルについて教えてもらえますか?
私たちが愛や家族をつくるために経験する、奇妙な儀式について考えていました。フグは砂の上に巨大な彫刻をつくる。ハエトリグモは、愛を見つけるために、とても小さくて複雑なダンスを踊る。そして彼らの場合、拒絶は死を意味します。メスに食べられてしまうから。人間はダイヤモンドを買って、片膝をつく。
私たちはみんな、愛をめぐるこうした儀式を生み出してきました。結局のところ、私たちはみんな、お互いを見つけるために、こうした小さなダンスを踊っているだけなんじゃないか。そんなふうに思うんです。
以前はシャコにかなり興味を持っていましたね。今も彼らの「見え方」について探求していますか?
はい、もちろんです。シャコの視覚、そして「同じ世界を見ていても、まったく異なる捉え方が存在する」という考えは、今でも私にとって最大のインスピレーションのひとつです。人間は3つの光のチャンネルを通して世界を見ていますが、シャコには12もあり、紫外線まで見ることができます。つまり、彼らが見ている現実は、私たちのものとは根本的に異なるんです。
私たちが見ることのできる範囲の外側に、いったいどれだけの世界が存在しているんだろう、と考えるのが大好きです。それから最近は、洞窟探検にもすごくハマっています。それもまた、別の形で自分の作品に影響を与えています。完全な暗闇の中で道筋を地図にしていくこと。小さな光のきらめきを追いかけること。ロープを使って下へ降りて、その下に何があるのかもよく分からないこと。そのような体験には、とても純粋な「謎」と「冒険」があるように感じます。今の時代には、なかなか見つけることのできないものだと思います。
