新旧世代の Vans ライダーが集結した上海スケートイベント AVE 2.0: COMMITMENT TO PROGRESSION TOUR をレポート

2024年5月11日に上海で開催された奇跡のイベントをアンソニー・ヴァン・イングレンへのインタビューと共に振り返る

フットウエア 

世界的なアクションスポーツフットウェア&アパレルブランド〈Vans(ヴァンズ)〉は、2024年3月にローンチしたレジェンドスケーター “AVE”ことアンソニー・ヴァン・イングレン(Anthony Van Engelen)のシグネチャーモデル第2弾 AVE 2.0のリリースを記念し、世界をまわる大規模なイベントツアー “AVE 2.0: COMMITMENT TO PROGRESSION TOUR”を開催中。3月28日にアメリカ・ロサンゼルスからスタートしたこのツアーは、5月11日(土)に中国・上海、その翌週の5月18日(土)に韓国・ソウルとアジア圏を巡回し、7月のフランス・パリで完結する。今回『Hypebeast』は5月11日(土)に上海で行われたイベントに参戦。世界各地から〈Vans〉ライダーが集結したスペシャルなイベント当日のレポートを、AVEへのインタビューと共にお届けする。

まずはこのイベントツアーの開催のきっかけとなったスケートシューズ、AVE 2.0に触れておきたい。〈Vans〉の誇る最新テクノロジーが凝縮されたAVE 2.0は、四半世紀にわたってスケートシーンを牽引するAVEの2代目シグネチャーモデルとして誕生。彼の大胆不敵なスケーティングと常に限界を押し広げようとする姿勢を表現したという本モデルは、アッパーにニット素材を採⽤し、足を360度包み込むようなフィット感を実現。つま先部分はステッチを使わずレイヤーを熱圧着したスエードパネルでカバーすることで、高い耐久性も兼ね備えている。ソールは衝撃吸収性に優れたUltraCush™インソールとグリップ力に優れたSickStick™ラバーアウトソールを組み合わせたUltimateWaffle™構造によって、クッション性とボードフィーリングを両立。カラーは“ブラック/カーボン”と“クリーム”に加え、関係者のみに贈られるフレンズ&ファミリーモデルとして“ネオンイエロー”が揃う。クラシックな印象の強い〈Vans〉のラインアップの中では斬新なシルエットをもつAVE 2.0は、デザインとパフォーマンスが見事に融合した革新的なスケートシューズとなっている。

今回のイベントツアー “AVE 2.0: COMMITMENT TO PROGRESSION TOUR”には、〈Vans〉創業者の息子であるスティーブ・ヴァン・ドーレン(Steve Van Doren)や、AVEを筆頭とする〈Vans〉ライダーたちが参加している。開催都市ごとに参加ライダーは若干異なるものの、上海のイベントには先述のふたりに加え、トニー・アルヴァ(Tony Alva)やクリスチャン・ホソイ(Christian Hosoi)、オマー・ハッサン(Omar Hassan)といったレジェンドのほか、カレン・ケープルス(Curren Caples)、ディエゴ・トッド(Diego Todd)、ウィロー・ヴォージズ・フェルナンデス(Willow Voges Fernandes)、ペドロ・デルフィーノ(Pedro Delfino)、ペドロ・バロス(Pedro Barros)、ブリアナ・ギーリング(Breana Geering)などのグローバルライダーたちが集結。さらに、地元中国や韓国、インドネシア、マレーシアといったアジア各国のライダー、日本からは守重琳央、星野大喜、ショー・ウェストが参戦するなど、世界各地から選りすぐりのライダーたちが集う稀有な機会となった。

イベント開催日前日の5月10日(金)には、〈Vans〉の上海の旗艦店『Vans Boutique』にスティーブやアルヴァ、ホソイ、ハッサンらが来店し、スタッフやファンとの交流を楽しんだ。また、市内にあるスケートショップ『FLY』ではAVEによるオートグラフセッションも実施。ショップには多くのスケーターが詰めかけ、店の前の通りまで人が溢れる事態に。また、通りを挟んで向かいにある〈Supreme〉の旗艦店『Supreme Shanghai』にもスケーターたちが集まり、店内のスケートボウルでセッションしたり、店の前でだべっていたり、ちょっとしたコミュニティが形成されていたのも印象に残った。

今回の“AVE 2.0: COMMITMENT TO PROGRESSION TOUR”の会場は、上海で開発が進む湾岸エリア。高層ビル群が形成するスカイラインが一望できる絶好のロケーションに大型スケートランプが設置され、会場内にはAVE 2.0の開発の裏側とAVEの輝かしいキャリアの軌跡を展示したギャラリースペースをはじめ、〈Vans〉のポップアップストアやローカルスケートブランドによるコミュニティマーケット、DJブース、フードカートなども並ぶ。また、シルクスクリーンのワークショップ、ロサンゼルスのアーティスト ロバート・バルガス(Robert Vargas)によるライブペインティング、スティーブ・ヴァン・ドーレンやアルバ、ホソイらのトークセッションも行われるなど、充実の内容に。

当日は朝から小雨が降り、よもや本イベントの目玉であるスケートランプでのデモおよびジャムセッションは中止かと思われた。しかし、昼を過ぎて小雨が止み晴れた途端、急遽タイムテーブルを変更してデモが開始。目の前でアルバ、ホソイ、ハッサンといったレジェンドたちが貫禄のスケーティングを魅せると、若手たちが華麗な滑りで応酬。特にペドロ・バロスとペドロ・デルフィーノ、そして星野大喜を誰もが絶賛していたことは、ここに記しておきたい。新旧世代が入り乱れた約一時間ほどのデモが終了すると、瞬く間に土砂降りに見舞われる事態に。あの時間はスケートボードの神が与えてくれた、奇跡の時間だったかもしれない。

デモ終了後もライダーたちは会場内で集まったファンや仲間との交流を楽しみ、イベントは大盛況で幕を閉じた。老若男女、あらゆる国籍の人々が集い、終始ピースフルな空気が流れていたのは、〈Vans〉コミュニティの結束力や、彼らが醸し出すポジティブなバイブスによるところが大きいと思われる。本稿の締めくくりとして、イベント会場で行ったAVEのインタビューをお届けしたい。彼に投げかけた最後の質問への回答が〈Vans〉というブランドの本質を的確に表現しており、今後のイベントツアーの成功の確信と、スケートボードの未来への希望を感じた。


Hypebeast:上海に来るのは今回が初めてでしょうか?  まずはこの街の印象と、今回のイベントの感想から聞かせてください。

いや、上海には何回も来たことがあるんだ。活気があって、すごい好きな街だよ。今回のイベントは最初はちょっと緊張したけど、やっぱり実際に始まると楽しいね。Vansファミリーの皆んながこの街に集まってるなんて、信じられないくらいクールだよ。

今回のイベントはあなたのシグネチャーモデル第2弾 AVE 2.0のリリースを記念して世界各地をまわるツアーの一環として行われました。上海を開催地のひとつに選んだ理由を教えてください。

それはVansのアイデアだ(笑)。開催地は俺が決めたわけじゃない。彼らとの関係はもう19年にもなるんだけど、こんな大規模なツアーを組んでもらって、本当に感謝してるよ。

新作モデル AVE 2.0のコンセプトについて教えてください。

AVE 2.0はVansのスケート部門のデザインディレクターである、ニール(・シューメイカー)とアイデアを共有しながら作ったんだ。デザインは彼が担当した。このシューズは俺のシグネチャーのセカンドモデルになるんだけど、前作から大きく改善したのはグリップ力、それから履き心地をアップデートしてるよ。

私もいまAVE 2.0を履いているのですが、これまでのスケートシューズにはない独特のフィット感で、はじめて足を入れた時はちょっと驚きました。ここまで足にぴったりフィットする仕様にしたのには、何か理由があるんでしょうか?

やっぱりVansはSkate Classics(スケート クラシックス)シリーズが一番好きなんだけど、それを最新の技術を使って進化させることはできないかと思ったんだ。そんなアイデアをニールと共有して、細めで足にフィットするような形が良いんじゃないかという結論に至った。あとはソールのグリップ力を高めるとか、アッパーにニット素材を使うとか、今のテクノロジーを活用する事がキーポイントになってる。

今回はアパレルコレクションも展開しています。チェックシャツやプルオーバー、ロンTなど、スケーターにとっては定番と言えるようなプロダクトが揃っていますが、これらはあなたがデザインしたのですか? また、特にお気に入りのアイテムがあれば教えてください。

そう、服のアイデアもニールやアパレルのデザインチームと共有して、一緒にデザインしたよ。どれも好きだけど、特に気に入ってるのはネルシャツだね。

個人的な思い出になりますが、私があなたの事を最初に知ったのは、Alien Workshopのビデオ『Photosynthesis』(2000)でした。映像はもちろん、使われている音楽も斬新で、あの作品は今でもマスターピースの一つと言えると思います。あなたのパートで流れていたのはChemical BrothersやIggy & The Stoogesの曲だったと記憶していますが、今現在のフェイバリット・アーティストもしくは楽曲を教えてください。

うーん、難しいな(笑)。音楽は本当に色んなジャンルやアーティストを幅広く聴くから、今好きなバンドとか選べないよ。

あなたはFUCKING AWESOME(ファッキンオーサム)を主宰していることもあり、若い世代を積極的にフックアップしている印象があります。あなたが自分のチームに新たなライダーを迎える際の基準はありますか?

彼らはやっぱりまず俺の友達だ。ヤングスケーターでヤバい奴がいたら1回スケートトリップに誘って、フィットしたらチームに入れたりするんだけど、まあそこは自然に。無理せずにチームを作ってる感じかな。

最後の質問です。あらためて、あなたにとってVansとはどのようなブランドでしょうか?

……Vansは真のスケートシューズカンパニーだけど、それだけに留まらない。Vansは“スケートボードそのもの”なんだ。彼ら自体がスケートボードというブランドだよ。この業界にはさまざまなブランドが関わっているけど、やっぱりVansとスケートボードはその歴史を共に歩んできたと言える。これからも一緒に成長して、次の世代をお互いにサポートしていくはずさ。

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