Supreme の売上高が前年を下回る
ストリート一辺倒の終焉を物語る?

親会社の「VF Corporation(VFコーポレーション)」の年次報告書によれば、2023年3月期の〈Supreme(シュプリーム)〉の売上高は、同社の目標としていた6億ドル(約837億円)には届かず、5億2,310万ドル(約730億円)となり、前年から3,840万ドル(約54億円)減少という結果に。また、同ブランドの純利益は、昨年の8,240万ドル(約115億円)から6,480万ドル(約90億円)となった。
2020年末に「VF Corp」に21億ドルで買収された〈Supreme〉。2022年2月には〈Denim Tears(デニム ティアーズ)〉のトレマイン・エモリー(Tremaine Emory)をクリエイティブ・ディレクターに任命し、今季から本格的に指揮を取っている。先述の報告書では〈Supreme〉は、〈THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)〉〈Dickies(ディッキーズ)〉〈Vans(ヴァンズ)〉〈Timberland(ティンバーランド)〉など他のVFブランドとは異なるビジネスモデルを採用しているため、独自のリスクに直面しているとし、「VFが、これらの異なる特性、複雑性、市場力学に対処するために必要な事業への適応を行わなければ、VFの収益、事業状況、経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある」とコメント。
近年、ファッション業界はストリート一辺倒からの脱却が顕著になっている。これは一例かもしれないが、『Business of Fashion』によれば、昨年、ジェリー・ロレンゾ(Jerry Lorenzo)の〈Fear of God(フィア オブ ゴッド)〉が〈Supreme〉を抜いて、『StockX(ストックエックス)』上で最も取引されているブランドとなった。