adidas の2023年度の売上高は前年比4.8%減少に
昨年末にカニエ・ウェストおよび〈YEEZY〉とのパートナーシップを解消したことが響いた模様
3月13日(現地時間)、〈adidas(アディダス)〉が2023年の通期決算の確定値を発表。売上高は、前期比4.8%減少の214億ユーロ(約3兆4,622億2,294万円)で、恒常為替レートベースでは横ばいだった。
同ブランドは、最終赤字に転落した理由として、2022年末にカニエ・ウェスト(Kanye West)/Ye(イェ)および〈YEEZY(イージー)〉とのパートナーシップを断ち切ったことが響いたとしている。また、両年で〈YEEZY〉の収益が除外されていれば、恒常為替レートベースの売上高は2%増加しただろうと指摘した。
〈adidas〉のCEO ビョルン・ガルデン(Bjorn Gulden)は、「YEEZYの収益の多くを失い、非常に保守的な販売戦略をとったにも関わらず、なんとか横ばいの収益を得ることができた」と語り、「大幅なマイナスの営業成績になると予想していたが、2億6,800万ユーロの営業利益を達成した。非常に規律ある市場開拓と購入プロセスにより、当社は在庫を約15億ユーロ削減できた。米国を除いて、現在はすべての地域で健全な在庫を確保している」と説明。営業利益に関しては、〈YEEZY〉関連プロダクトの在庫を売却すると決定していることから、予想を10億ユーロ(約1,628億6,644万円)近く上回った。それでも、前年の6億6,900万ユーロ(約960億円)から59.9%減少という結果に。
部門別では、〈YEEZY〉の影響にも関わらず、フットウェアの売上高は為替変動の影響を除くと、前年比4%増となった。その他、アクセサリーが3%増加、アパレルが3%減少した。加えて、ライフスタイル部門では、〈YEEZY〉とのパートナーシップ解消が大きく響き、為替変動に関係なく減収。しかし、同ブランドのSamba(サンバ)、Gazelle(ガゼル)、Spezial(スペツィアル)、Campus(キャンパス)といったモデルの需要増と供給増により、〈adidas Originals(アディダス オリジナルス)〉ラインは1桁台半ばの成長、〈adidas Skateboarding(アディダス スケートボーディング)〉は2桁台も成長した。“adidas Basketball(アディダス バスケットボール)”も、新しく導入されたアパレルコレクションや、シグネチャーとなるフットウェア、〈Fear of God Athletics(フィア オブ ゴッド アスレチックス)〉のローンチにより、2桁の成長を達成。
2024年に向けて、〈adidas〉は為替レートを考慮しない売上高が“1桁台半ばの伸び率”で増加すると見込んでおり、〈YEEZY〉の在庫は原価で売却されると想定している。営業利益は、約5億ユーロ(約802億3,106万円)と予想。ビョルン・ガルデンは、「第1四半期にはすでにある程度の成長が見られるはずだが、下半期にはより強い成長が見込まれる」と述べた。
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