AI と手塚プロのコラボレーションによる『ブラック・ジャック』の新作が今秋発表
「手塚プロ」のクリエイターと『ブラック・ジャック』を学習したAIが生み出す新たな『ブラック・ジャック』
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1973年11月~1983年10月に期間に連載されていた手塚治虫の金字塔的作品『ブラック・ジャック』。同作は今年で50周年を迎えたが、そんなメモリアルイヤーに、「手塚プロ」のクリエイターと『ブラック・ジャック』を学習したAIのコラボレーションによる新作が発表されるという。3年前にも“TEZUKA2020”として、AI x 人間の協業で新作『ぱいどん』を制作していた。
『ぱいどん』発表後に、“TEZUKA2020”は終了したが、プロジェクトメンバーの慶應義塾大学 栗原聡教授、手塚眞、「手塚プロ」らは、“AIと人間の共創マンガの実現”のために研究を継続。2023年5月に“TEZUKA2023”を発足し、『ブラック・ジャック』の新作に着手。同作は今秋の公開を予定している。プレスリリースでは「前作制作の過程で、クリエイティブの分野においてはインタラクティブ性の高い共創型AIサポートシステムの存在が、人ならではの能力である創造性の発揮につながることに着目。研究を重ね、今回の制作においてはクリエイターとAIのインタラクティブなやりとりがポイントになっています」と作品の制作過程におけるポイントを説明。掲載先は、『ブラック・ジャック』が連載されていた『週刊少年チャンピオン』となる。
「手塚プロ」取締役・手塚眞は今回の“TEZUKA2023”について、次のようにコメント。
“TEZUKA2020”では、『ぱいどん』というマンガを制作しましたが、そのときAIはまだマンガ初心者で、慎ましい関わり方でした。それから3年。AIは飛躍的に進歩しています。もう初心者とは言えないということで、ハードルを一気に高くして、手塚治虫の代表作である『ブラック・ジャック』の新作に挑戦します。『BJ』はエピソード数も多く、あらゆるジャンルを含み、手塚治虫のエッセンスが凝縮されている作品。そして、コロナ後の今の時代が一番渇望しているコンテンツと言えます。今回はさまざまなクリエイターが実際にAIと共同制作することで、コンテンツ作りの新たな方法論を生み出せるでしょう。日本のマンガ文化が、また新しい未来を手に入れるのかもしれません