NEIGHBORHOOD のコラボレーターに抜擢された DSC に迫る
ケン・ブロックのレーシングカーのカスタムやダニエル・アーシャムと「ポルシェ」による930Aの製作にも携わっていたイギリス・ウェールズ出身のペインター
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NEIGHBORHOOD のコラボレーターに抜擢された DSC に迫る
ケン・ブロックのレーシングカーのカスタムやダニエル・アーシャムと「ポルシェ」による930Aの製作にも携わっていたイギリス・ウェールズ出身のペインター
今季も多数のコラボアイテムを展開する〈NEIGHBORHOOD(ネイバーフッド)〉。そんな彼らの次なるパートナーとして白羽の矢が立ったのは、“DSC(Death Spray Custom/デス・スプレー・カスタム)”ことイギリス・ウェールズ出身のペインター デイビッド・グウィザー(David Gwyther)だ。
DSCは、その独創的でユニークなスタイルを武器に、ファッションからアート、エクストリームスポーツまでを結びつける活動で評価を得てきた。一見すると、無作為に抽出された企業ロゴを散りばめた大胆な作風をシグネチャーとし、中でも車のボンネットを用いたアートピースは代名詞的な作品だ。また、55歳で急逝したラリードライバー ケン・ブロック(Ken Block)のレーシングカーのカスタムでも知られており、その他にも2020年に発表されたダニエル・アーシャム(Daniel Arsham)と「ポルシェ(Porsche)」による930Aの製作にも携わっている。
今回の〈NEIGHBORHOOD〉とのコラボレーションでは、DSCの代表的なモチーフを使用したオリジナルテキスタイルのワークシャツ(38,500円)とショーツ(39,600円)、過去に発表したスクリーンポスターをベースにしたグラフィックをプリントしたTシャツ3型(各13,200円/全て税込)に加えて、日本を代表するヘルメットメーカー「SHOEI(ショウエイ)」とのコラボレーションによるフルフェイスヘルメットも製作(こちらは一部のSHOEI取扱店舗にて展開)。滝沢伸介はそんなDSCの魅力を次のように語る「モーターカルチャーをアートで表現する彼のスタイルは唯一無二の存在。車のボンネットにペイントを施したアートピースのシリーズはいつか手に入れたいですね。今回一緒にコラボレーションプロジェクトができたことは僕の目標の1つだったので嬉しいですね」。
さまざまなプロジェクトを手掛けてきたDSCであるが、日本ではまだまだ認知度が低いのが正直なところ。〈NEIGHBORHOOD〉ファンでも彼に馴染みがある方は恐らく少数派であろう。そこで『Hypebeast』では、Death Spray Customを知るべく、デイビッド・グウィザーにメールインタビューを実施。彼のアートスタイルやキャリアについて振り返ってもらった。
Hypebeast:いつ、どのようにDSCを始めたのですか?
2008年頃から自分自身のテクニックを研究し始めました。自動車用の塗料を使うので、とてもテクニカルでシステマチックなペイント方法なんです。自転車やバイクといった自分が好きなものを扱うことで、これを発展させて、自分のスタイルとメッセージを定義することができたんだ。
あなたのアートにインスピレーションを与えているものは何ですか?
1980年から2000年までのモータースポーツとアクションスポーツ、そして2000年から現在までの広告と消費者主義です。前者はアナログビジュアルの新時代です。
あなたのキャリアにおける重要な瞬間をいくつか教えてください。
アーティストとしての道を歩み始めたのは、誰にも頼らず、自分の言葉で自分のことをやりたいと思ったからです。生計を立てるには、最も難しい方法ですが、現在でも続けていることは、私にとって大きな成果です。最初に売れた作品も、最後に売れた作品も等しく大きな成果ということです。特にキャノンデール(Cannondale)のツール・ド・フランスチームに参加したことや、ケン・ブロックとのコラボレーションは素晴らしい瞬間でした。なぜなら、自分の趣味であるものを使って仕事をすることができるからです。
企業ロゴを入れるのに、何か決まりはあるのでしょうか?
ペインティングでは、企業ロゴやブランドロゴを絵文字のように使っています。これはブランディングの意味、欲望と消費主義と私たちの関係性を問うための表現であり、私の作品には、ハワイアン・トロピック(Hawaiian Tropic)やHBOなど、自分が思い入れのあるものもたくさん登場します。
今回はNEIGHBORHOODとのコラボレーションですが、ウェアを制作するのは初めてでしょうか?
そうですね、アパレルブランドとのコラボレーションは初めてです。
NEIGHBORHOODとは共通点が多いかと思いますが、このコラボはあなたにとってどんな意味があるのでしょうか?
私は1990年代からNBHDのファンで、当時は本当に探し回っていました。ロンドンのHideoutやニューヨークのUnionが取り扱っていましたが、私は小物ぐらいしか買えませんでしたね。当時はちょっと危険な匂いのするブランドで、その神秘的な感覚は、若い頃にとても刺激を受けました。滝沢伸介さんは、モーターサイクルに関連したスタイルが飛び抜けているので、今シーズンのコレクションに貢献できたのは光栄でした。
コレクションの中でお気に入りのアイテムは何ですか?
SHOEIのヘルメットはとても特別だと思います。また、NEIGHBORHOODが長年にわたって素晴らしいアーティストとコラボレーションしてきたこともあり、Tシャツはとても光栄に思っています。
ケン・ブロックの作品でも知られていますが、ダニエル・アーシャムともコラボしていますね。他の人と仕事をする場合、どのようにプロジェクトを進めるのでしょうか?
ケースバイケースにはなりますが、重要なのは、それぞれのアーティストやブランドの個性を活かした仕上がりになるような道筋で仕事をすることです。それは、作品が作られる前、つまりは、プロジェクトに関する最初の話し合いでよくわかります。自分たちがどれだけ自由でありながら、いかにしてコラボ相手と一緒に作り上げていけるか、それがやりがいですね。