ソウルで開催されたグッチ クルーズ コレクション 2024
60体ものルックが登場。5月16日20時、〈グッチ〉2024年クルーズ コレクションがソウル、景福宮にて行われた。




























































2022年末、クリエイティブ・ディレクターだったアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)が〈グッチ(Gucci)〉を去り、サバト・デ・サルノ(Sabato De Sarno)が後任に決まっている状況ではあるが、今回、〈グッチ〉が韓国・ソウルで行った“グッチ クルーズ コレクション 2024”は、一丸となったデザインチームによるものだった。
歴史あるブランドで、才能溢れるデザイナーが去った後、デザインチームがコレクションを手がけると、往々にして「そのブランドらしさ」が存分に出ることがある。今回はまさにそれ。さまざまなバックグランドを持つグッチのインハウスデザイナーや職人が、それぞれのグッチのコードを再解釈し、100年以上続く〈グッチ〉の独創的なアイデアを進化させた。まさにザ・グッチ、これぞグッチ!という世界感であった。
ショーの舞台は、14世紀に建設された景福宮(キョンボックン)。李氏朝鮮時代の建築美がある、格式高き王宮だ。この中庭を回るように、登場したルックは総勢60体。最近は、ショーよりもむしろ来場しているアンバサダーのほうが主役なのでは?と思うほどにショー前から盛り上がりをみせるが、そこは〈グッチ〉。その記憶をショーできちんと上書きしてくれた。
このクルーズ ショー自体はレディスが中心だったが、メンズも印象的なルックが多数あった。なかでも、最初に登場したメンズは、スケートボード&スケートボードバッグを携えていた。そして、すぐさま、サーフボードを持ったルックも登場。洋服は、取り外し可能なスリーブがついたボンバージャケットや、ジッパーで幅を広げられるパンツなど、ユニークなアイデアも満載。なかには、韓国の伝統衣装からインスピレーションを受けたであろうルックや、〈グッチ〉のシグネチャーを大胆にあしらったアイテムも。全体的に脱構築を意識しつつ、ハイブリッドなアイテムが多く見られた。
しっかりとミケーレの皮を破りつつ、とはいえみんなの期待する2024年な〈グッチ〉を描けていた今回の“グッチ クルーズ”。エレガントでモードでセクシーな〈グッチ〉に、ストリートな味付けが眩しかった。