Kanye West の運営する Donda Academy の元教師が異常な教育環境の実態を告発

Kanye West（カニエ・ウェスト）改めYe（イェ）が、彼の母親であるDonda West （ドンダ・ウェスト）の名を冠して2021年に開校した『Donda Academy（ドンダ アカデミー）』。同校に勤めていた元教師2人が不当に解雇されたとして、Kanyeを起訴したことが明らかとなった。

『Donda Academy』とは、“信仰と未来のイノベーションが交差する領域を見出す”ため、教育によって“変化し続ける世界に適応できる人材”を育てることを目標に掲げるキリスト教系私立学校。米カリフォルニア州シミバレーに位置し、幼稚園から12年生までを対象としている。

同校に教師として勤めていたアフリカ系アメリカ人女性のCecilia Hailey（セシリア・ヘイリー）とChekarey Byers（チェカリー・バイヤーズ）は3月、規約違反としてKanyeに解雇された。しかしながら、2人は、それが人種差別的な不当解雇だったと主張。今回の起訴に至った。Cecilia Haileyは、「Los Angeles Times」のインタビューにおいて、彼女が学校で見たものに対し、「非常に、非常に動揺した」とコメント。さらに、「私はKanye Westの学校だったので、視察する必要はないと思っていましたが、行くように頼まれて学校に向かうと、それがいかに必要だったのかを理解しました」と述べた。

訴状によると、学校には清掃サービスがなく、化学薬品を含む洗剤や適切なゴミ箱の使用が禁止されており、教師は“酸性の水とマイクロファイバーの布”でのみ清掃が許されていたとのこと。養護教諭や医薬品も不足しており、医薬品の管理に至っても、不適切であるか、期限切れになっていたという。また、食事は毎日ランチに寿司が提供されるのみで、テーブルも設置されていなかったため、学生は床に座って昼食をとっていたとも報告されている。加えて、学生は外部の食べ物や水以外の飲み物を持ち込むことは禁止されていたそうだ。また、同校には厳格な生徒指導の基準がないため、5年生のとある生徒は8年生の生徒を平手打ちで暴行し、その後、別の教師を暴行しようとしたとも主張。生徒たちは、Kanye Westが指定したデザインの全身黒のみを身に纏うよう指定され、階段の事故を避けるため、全ての授業は1階でのみ行われていたとも伝えられている。

もともとKanye WestのファンだったというChekarey Byersは、「私は彼の音楽が今でも好きですし、彼の才能を否定するつもりもありません。彼の学校に対するビジョンは、書類上は素晴らしいものに聞こえますが、実際は純粋なカオスと反乱です。まるで、患者によって運営されている精神病院のようでした」と付け加えている。