49の高級時計ブランドの新作が並ぶ「Watches and Wonders Geneva 2023（ウォッチズ アンド ワンダーズ ジュネーブ 2023）」が、3月27日（現地時間）よりスイス・ジュネーブで開幕した。我々『Hypebeast』編集部はこの世界最大の時計見本市を訪問し、現地からのレポートをこれから数回に分けてお届けしたい。

「Watches and Wonders Geneva 2023」で最大のブースを有するのが〈Cartier（カルティエ）〉であり、今回お披露目された新作のなかで一番の注目モデルが、106年ぶりの復刻版となるTank Normale（タンク ノルマル）である。Tank American（タンク アメリカン）、Tank Chinoise（タンク シノワ）、Tank Française（タンク フランセーズ）、Tank Solo（タンク ソロ）、Tank MC（タンク MC）……今まで〈Cartier〉はバラエティ豊かにTankシリーズを発表し、その時代時代で多くのフランス人デザイナーやセレブリティに愛され、彼らの手元を彩ってきた。それら美しきTankの“始まり”が、〈Cartier〉の「Watches and Wonders」の目玉である。

その名は、Tank Normale。Louis Cartier（ルイ・カルティエ）が、第一次世界大戦中の1917年にデザインしたのが、Tank Normaleであり、そのデザインは当時、戦争がなくなれば良いとの想いから、ルノー型戦車の俯瞰図から着想したとされる。ヴィンテージのデザインに多く着想を得る最近の〈Cartier〉は、このTank Normaleを現代に蘇らせた。サテン仕上げのケースや、小ぶりでスクエアなバランス、面取りサファイアクリスタル採用など、そのデザインは初代 Tank Normaleさながらだ。当時の実機にはお目にかかったことがないものの、1917年当時の雰囲気が出ている、と思える。この2023年の新作 Tank Normaleが、ヴィンテージウォッチストアに並んでいたとしても、なんら違和感なく、オーラを放っているであろう。サイズは、初代の縦29.6mm×横23mmのプロポーションから、32.6mm×25.7mmとアップしているものの、まだまだ小ぶりで“性”も選ばず、エレガントな実用時計だ。

全7種類登場の新顔 Tank Normaleのうち、『Hypebeast』編集部は、3種類の実機を触らせてもらった。

イエローゴールドのTank Normale。こちらは、ケースとともにブレスまでサテン仕上げのタイプで100本限定。Tankシリーズは、レクタンギュラーという長方形型ケースが多いが、このTank Normaleは正方形型。いままた新鮮だ。面取りされた立体的なサファイアクリスタルの奥から、由緒正しきローマ数字の時刻を“見つめとる”のがなんとも優雅である。

ケース、ブレスともにプラチナで仕上げられたこのタイプも100本限定。リューズのルビーのピンク色に、トキめかない人はいないのではないか。ジーンズにTシャツに、このプラチナのTank Normale。そのスタイルは、想像するだけで完成していると思えるし、なにより普遍性がある。また、このプラチナはゴールドと同じく、使いこまれていくうちにより趣を増す佇まいだ。これからの半生の究極の1本としてどう？

スケルトン仕様のTank Normaleも登場。ダイヤルは24時間表示になっており、短針が24時間でひと回りする。下部にかけてグラデーションで暗くなっているのは、ひと目で夜とわかる〈Cartier〉らしいエスプリだ。シリアルナンバー入りで50本限定。こちらも争奪戦必至。

価格は、ストラップモデル（各200本限定）が506万8,800円（プラチナ）、451万4400円（イエローゴールド）、ブレスレットモデルが（各100本限定）778万8000円（プラチナ）、679万8000円（イエローゴールド）、スケルトンモデル（各50本限定）が1,168万2,000円（プラチナ）、1036万2000円（イエローゴールド）、20本限定のダイヤセットモデルが1,557万6,000円（すべて税込予価）。発売は今春予定となる。

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