かつて Nike が Corteiz に対して訴訟を起こしていたことが明らかに
チームアップで話題となっている両者が対立していた理由とは?

先日、チームアップを示唆したイギリス・ロンドンを拠点とする新鋭ストリートウェアレーベル〈Corteiz(コーテイズ)〉と〈Nike(ナイキ)〉。話題を呼んでいる両者のコラボだが、本稿では2021年に〈Nike〉が〈Corteiz〉の創設者であるClint(クリント)に対して訴訟を起こしていたことにフォーカスする。
本件では、〈Nike〉がアイコニックなモデル “Cortez(コルテッツ)”と〈Corteiz〉というブランド名が消費者の間で同じブランド/製品として認識される恐れがあり、その場合に市場で問題となる可能性があると主張。〈Corteiz〉に対して、以下のように書類を提出していた。
申請者は、2020年9月11日付けのKristen K. Downerの証人陳述書という形で証拠を提出した。Downerは、Nike Innovate C.Vのマネージャーであり、2016年5月15日からその職に就いている。
Downerは、CortezはNikeの代表的な製品ラインの一つであると説明。1972年に初めて使用され、その日から継続的に使用されていると述べている。フランス、ギリシャ、クロアチア、ブルガリア、スロベニア、ルーマニア、イギリスなど、世界各国で同製品名が使用されてきたとしている。
〈Nike〉は1998年以来“Cortez”という名前の商標を持っていたため、現在の市場では“Cortez”を商業的に使用することは法的な侵害となる。これらのことから、本件の裁判官代理は次のように結論付けた。
中程度に類似していると判断した商品については、間接的な混同の可能性があると考える。
先願商標と本件商標は、視覚的には低から中程度に類似し、聴覚的には発音の仕方によって中程度から高程度に類似するか、中程度を超えない程度に類似すると判断した。CortezとCorteizの語は概念的に中立であるが、本件商標の楕円形の絵模様と“RULES THE WORLD”の語は概念的な差異点として作用することになると判断している。
最後に、〈Corteiz〉のClintは、2021年3月16日に〈Nike〉に総額1,850ポンドを支払うよう命じられた。
前述の出来事があったように、今回のコラボではこれまでの両者のすべての対立が解決されたことを意味し、新しい関係性を構築していくことが期待出来る。進行中と思われる〈Corteiz〉と〈Nike〉のコラボプロジェクトは現時点で詳細などは明らかにされていないので、引き続きオフィシャルからのアナウンスを楽しみに待っていよう。