Mercedes-AMG が新型 C63 のサルーンとエステートをワールドプレミアで公開
C63として初の4気筒ターボ+電気モーターでもそのパワーは侮るなかれ680馬力
ドイツの高級自動車メーカー「Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)」のスポーツ・レース部門である「Mercedes-AMG(メルセデスAMG)」は、9月21日(現地時間)にワールドプレミアを行い、新型 C63のS PERFORMANCE(サルーン パフォーマンス)およびE PERFORMANCE(エステート パフォーマンス)を発表した。
“新時代の幕開け”と銘打って開かれた本イベントに姿を見せた車両は、“AMGの55年の歴史の中で、まさにゲームチェンジャーと呼べる存在”と「Mercedes-AMG」が主張するように、「F1(フォーミュラ1)」からのノウハウを活かし、モータースポーツの最先端技術を一般道にも導入したモデルとなっている。
フロントに縦置きされた2.0リッター・ターボエンジンをリアアクスルに配置された2段変速の電気モーターがサポートし、最大出力680ps、最大トルク1020Nmを実現する。電気パワートレインと400ボルトの高性能バッテリーは「AMG」独自のもので、市販の4気筒エンジンとしては世界で最もパワフルなものとなり、「F1」のように排気ガスターボチャージャーを電気でサポートすることで内燃エンジンのターボラグを解消し、同時に電気駆動によって停止状態から力強く押し出すことができる。
その他、SとEが同時に発売される新型 C63のハイライトは、駆動力を路面に伝える完全可変式全輪駆動システムAMGパフォーマンス4MATIC+をC 63で初めて採用し、プラス走りの楽しさを高めるドリフトモードも搭載している。さらにアクティブ・リアアクスル・ステアリングを標準装備しており、これもこのセグメントではユニークな機能となる。
「Mercedes-AMG」の取締役会長であるPhilipp Schiemer(フィリップ・シーメル)氏は、「F1のノウハウをふんだんに取り入れたこのテクノロジーは、新たな顧客層にもアピールできると確信しています」と述べている。また、同社の最高技術責任者 Jochen Hermann(ヨッヘン・ヘルマン)氏は「パフォーマンス・ハイブリッドドライブと電動アシストエキゾースト・ターボチャージャーを搭載した新型C63 PERFORMANCEは、新しいアプローチによる技術的な傑作と言えるでしょう。電動化されたパワートレインは、まったく新しいドライビング・エクスペリエンスを提供します。リヤ・アクスルの電気駆動の即時反応、迅速なトルクの蓄積、そして高速出力とバッテリーの吸引は、非常に特別な機能です。さらに、標準装備のリアアクスル・ステアリングとドリフトモード付きフル可変全輪駆動が加わり、新型C63は、AMGの持つ高い技術力を改めて示すものとなります」と述べている。
そもそも「AMG」は独立したチューナーで、1967年にレース用自動車エンジンの設計会社として創業し、1971年のスパ・フランコルシャン24時間レースでの総合2位をきっかけに、長年「Mercedes-Benz」製の“V8”エンジンでその名を轟かせてきた。その後1999年に「Daimler Chrysler(ダイムラー・クライスラー)」社に吸収され、さらに2014年からは「Mercedes-AMG」として「Daimler」社のスポーツカーブランドとなっている。
今回C63で初めてとなる4気筒ターボ+電気モーターユニットでの登場は、こういった過去の歴史を知る「AMG」ファンにはある意味衝撃である。しかし時代の変化と共に最良の選択という判断で作り上げた新型 C63のパフォーマンスは、それを黙らせるだけのクオリティであることは間違いなさそうだ。