Sotheby’s オークションに Rolex の超希少モデル “Lemon Paul Newman” Daytona が登場
イエローゴールドのモデルは殆ど生産されず、エキゾチックな“レモン色”文字盤のモデルが市場に出たのは過去に11本以下
世界最古の国際競売会社でインターネット上での競売を開催した世界初の美術品オークションカンパニーでもある『Sotherby’s(サザビーズ)』が、英国ロンドンにて行う“Fine Watches”コレクションにおいて、〈Rolex(ロレックス)〉の超希少なタイムピースであるとされる“Lemon Paul Newman” Daytona(“レモン・ポール・ニューマン” デイトナ)が出品されることとなった。
そもそも〈Rolex〉Daytonaは1963年にレース用クロノグラフとして開発されたモデル。“Paul Newman” Daytonaは、その頃から1980年代にかけて手巻きDaytonaの20本に1本と言われるアールデコ調の文字盤を持つモデルで、一般には“エキゾチック・ダイヤル”として知られている。1980年代後半にイタリアの時計商やコレクターの間で“Paul Newman”という言葉が生まれ、実際にPaul Newmanが自身のRef.6239を着用している写真が何度も撮られたことからこの名で呼ばれるようになった。
こちらの時計 Ref.6264は1969年末から1971年末の短期間だけ生産され、ポンププッシャーを採用した最後のDaytonaであったとされている。更にイエローゴールドのモデルはほとんど生産されず、エキゾチックな“レモン色”文字盤のモデルはさらに少なかった。そのため、このモデルの希少性は非常に高く、市場に出たのは11本以下、そのほとんどが本モデルと同じ“2,357,xxx”というシリアルレンジのものとなる。故に、数が少ないという点では〈Rolex〉の生産品の中でもこの“Lemon Paul Newman” Daytonaに匹敵するコンビネーションの時計はほとんど存在しないという。
しかもこのDaytona、研磨の跡がほとんどなく、ほぼ無傷のダイヤルを持ち、ほぼ完全に工場出荷時のプロポーションが保たれており、このようなコンディションで市場に出ることは稀であるとされる。さらにこの時計は、ダイヤルを外した時に最も破損しやすい3時と9時の位置にあるルームプロットも含め、破損することなく完全に残っている状態だという。また、ケースからラグ(特にリューズがある3時側の部分)はまだら模様の暗色を醸しているが、これは皮脂や汗などが18Kイエローゴールドに含まれる金以外の成分に触れたことで酸化して起こるとされる。この現象は長い年月をかけて起こるもので、金庫や貸金庫のような冷暗所に潜んでいない限り、同じように蓄積されることはあまりないようだ。
『Sotherby’s』の説明によると「これは、今世紀イギリスで提供された最初の“Lemon Paul Newman” Daytonaであり、そのその本質的な希少性に匹敵するレベルの状態の時計で、今回のFine Watchesコレクションを冠する素晴らしい、非常に希少な機会を提供します」と記されている。予想される落札価格は500,000ポンド(約8,100万円)から1,000,000ポンド(1億6,170万円)と記述にあるが、これを書いている8月29日(日本時間)現在ですでに2名が名乗りを挙げており、500,000ポンド(約8,900万円)となっている。ほとんど市場に出ることのないこちらの逸品、9月7日15時(現地時間)でクローズとなる入札がどこまで伸びるか『sotherby’s』のウェブサイトで見守っておこう。