McLaren が『グランツーリスモ SPORT』のコンセプトカー Solus GT を実車化
840psのV10エンジンを搭載し、最高時速は320km/h超をマーク
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イギリスの高級ブランド「McLaren(マクラーレン)」は、バーチャルレースのコンセプトカーを現実のものとしたMcLaren Solus GT(マクラーレン・ソーラスGT)を発表した。
これはシングルシートのクローズド・コクピットを持つサーキット専用モデルで、わずか25人のオーナーのために特注で製造され、既に売約済みだという。この公開は、カリフォルニアで開催中のモントレー・カーウィークで行われた。このSolus GTは、ゲームソフト『グランツーリスモ SPORT』に登場する、架空の未来的コンセプトカーを現実の自動車としたもの。『グランツーリスモ』シリーズでは、Vision Gran Turismo(ビジョン グランツーリスモ)と題したコラボレーションを進めており、多くの自動車メーカーが専用にデザインした車両をゲーム内に登場させ、メーカーの方ではそれを実車として現実化したり、モックアップを作ってショーに展示したりといった展開を行っているが、今回のSolus GTもそうした現実化のひとつということになる。
Solus GTは5.2Lの自然吸気V10エンジンを搭載、1000kgに満たない車重と相俟って発生ダウンフォースは1200kg以上、F1マシーンで走るのと近い一体感と衝撃を誇るという。シングルシートを中央に配したコクピットと、“ジェット戦闘機を思わせる”というスライド式キャノピー、ツインエレメントの固定式リアウィングが特徴で、その基礎をなすのは、パワートレインを構造の一部として活用する、モータースポーツ由来のモノコックシャシーとなっている。このモノコックはカーボンファイバー製だが、少数生産の専門的な手法を採用したとのこと。そのひとつが、事前にカーボンに樹脂を含浸させる“プリプレグ”工程で、これによって構造的強度の向上と素材の均一性確保が図られている。前後のシャシー・ストラクチャーもカーボンファイバー製。ヘイロー型コクピット保護ストラクチャーとロールフープには、3Dプリントによるチタン製コンポーネントが使われている。
専用の5.2L V10エンジンは最高出力840ps/最大トルク650Nm以上とされており、最高回転数は10,000rpm以上。これに、やはり専用設計の7速シーケンシャル・ギアボックスを組み合わせ、0-100km/h加速(目標タイム)は2.5秒、最高速は320km/h超とのこと。サスペンション・システムはダブルウィッシュボーン式で、インボード式トーションバー・ダンピングを、フロントはプッシュロッド、リアはプルロッドで作動させる。フロントのサスペンション・リンクを空力的な形状のカーボンファイバー製シュラウドで覆うという、F1と同様の手法が採用されている。完全な“レーシングドライバー体験”を可能とするため、ドライビングシートはオーナーの体型に合わせて型取りし、FIA認可のレーシングスーツやヘルメット、HANS(ヘッド・アンド・ネック・サポート)も各オーナーに合わせて特注で用意されている。ドライバー育成指導プログラムも付属し、デリバリーは2023年から開始予定とのこと、そのほか詳しくについてはこちらで確認しよう。