衝突するふたつの銀河をハワイにあるジェミニ天文台の望遠鏡が捉える
約40~50億年後に起きるとされる天の川銀河とアンドロメダ銀河が衝突するときの予兆でもある
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ハワイにある『Gemini Observatory(ジェミニ天文台)』を運用する「NOIRLab(全米科学財団国立光赤外線天文学研究所)」は8月10日(現地時間)に公式のSNSで、相互作用する一対の渦巻銀河“NGC 4568”と“NGC 4567”が衝突し、合体を始めている様子を捉えた新しい画像を公開した。これらの銀河は、互いの重力場で絡み合っており、最終的には約5億年後に一つの楕円銀河になると考えられている。また、画像には2020年に検出された“Supernova(超新星)”の光る残骸が見える。
ふたつの銀河が接近し合体すると、両者の重力の衝突によって激しい星形成が起こり、それまでの壮大な構造が大きくゆがむとされる。何百万年もの間、この2つの銀河は互いのループを締め付けるように揺れ動き、星やガスの長い流れが引き出され、それぞれの構造が完全に混ざり合って、そのカオス(混沌)の中から一つの円型の銀河が誕生していく。このとき、星の形成の燃料となるガスやダストの多くは使い果たされるか、吹き飛ばされているはず、とされている。
また、この合体の様子は、我々が住む地球及び太陽系を含む天の川銀河と、その最も近くにあるアンドロメダ銀河が衝突するときの予兆でもあるとされ、「NASA(米航空宇宙局)」の天文学者は2012年にハッブル宇宙望遠鏡のデータを使い、この2つの渦巻き銀河が衝突する時期を予測したところ、約40~50億年後に同様の事象が起こると予想している。
This new image captured by the Gemini North telescope in Hawai‘i, part of the @GeminiObs, operated by @NSF's @NOIRLabastro, reveals a pair of interacting spiral #galaxies — NGC 4568 and NGC 4567 — as they begin to clash and merge. https://t.co/MwpKMQHqFn (1/2) pic.twitter.com/N45JoouzXJ
— NOIRLab (@NOIRLabAstro) August 9, 2022