Tiffany & Co. が Kendrick Lamar とのコラボレーションを発表

〈Tiffany & Co.（ティファニー）〉が、ラッパーのKendrick Lamar（ケンドリック・ラマー）とのコラボレーションを正式に発表した。

今回のコラボレーションは、Kendrickが長年のコラボレーターであり、自身の主宰するクリエイティブカンパニー「pgLang」の共同設立者であるDave Free（デイヴ・フリー）と共に、チタンとパヴェダイヤモンドを使用したカスタムメイドのクラウンの製作を〈Tiffany & Co.〉に依頼したことによって実現。彼らはまず2021年に、“いばらの冠”をインスピレーションソースとするヘッドピースのアイデアをもって、同ブランドのデザインチームにアプローチしたという。宗教的図像の象徴として最も広く認識されているシンボルのひとつである“いばらの冠”は、芸術面での優れた能力、謙虚さ、そして忍耐力を表すメタファーとなっている。KendrickとDaveはクラウンのデザインについて当初から明確なビジョンと意図を持っており、“いばらの冠”を参照したことに加え、20世紀を代表するアーティストの1人であるJean Schlumberger（ジャン・シュランバージェ）が1956年に〈Tiffany & Co.〉に入社する前の1947年に制作したアイコニックな“いばら”のブローチ（*上のフォトギャラリー3枚目の画像）からも着想を得たようだ。18Kイエローゴールドで作られた棘のような突起が47カラットのサファイヤを取り囲むデザインが目を引くこのブローチは、現在イングランド・ロンドンで8月19日（現地時間）まで開催中のブランドエキシビション “Vision & Virtuosity（ビジョン＆バーチュオシティ）”で展示されている。

KendrickとDaveが魅力を感じたデザインは、さまざまなサイズのダイヤモンドが無数に並ぶ石畳のようなマイクロパヴェセッティング。最大限の輝きが引き出されるように隙間なくセットされたパヴェダイヤにより、この作品に自然主義的なクオリティが発生することに。ダイヤモンドはひとつひとつ手作業でセットされており、プロングは通常は鋳造で作られるものの、この作品では職人がまずはダイヤモンドを固定したあとに金属をカットして上から折り返して作るという、ハイジュエリーだけに見られる工程を踏んでいる。〈Tiffany & Co.〉では、19世紀後半から特別なヘッドピースの数々を手作業で製作してきた歴史があり、今回のコラボレーションではその伝統を踏襲することになった。

ニューヨークにある〈Tiffany & Co.〉の工房で10カ月間にわたって製作されたクラウンは、6月26日（現地時間）に行われた「Glastonbury Festival 2022（グラストンベリー・フェスティバル 2022）」にてKendrickがステージで着用し、パフォーマンスを披露した。〈Tiffany & Co.〉のプロダクト＆コミュニケーション部門のエグゼクティブ・バイス・プレジデントを務めるAlexandre Arnault（アレクサンドル・アルノー）は、本コラボレーションについて以下のように語っている。「Kendrick Lamarは、2世紀近くにわたってTiffany & Co.を定義してきた芸術性やリスクを恐れない創造性、そして絶え間ない革新性を体現するアーティストです。このたび、優れた先見の明の持ち主であるKendrickと共に、彼がイメージするクラウンのビジョンを形にできたことを誇りに思うと同時に、とてもエキサイティングな気持ちでいっぱいです」