Nike が2022年度第3四半期の決算を発表
サプライチェーンの課題は継続しつつも全体的に好調な売上を記録

3月21日(現地時間)、〈Nike(ナイキ)〉が2022年度第3四半期(2021年12月〜2022年2月)の決算を発表し、売上高と収益が市場予想を上回ったことが明らかになった。今回の発表を受けて、同社の株価は時間外取引で一時は6%も上昇した。
公開されたレポートによると、売上高は前年同期比5%増の約109億ドル(約1兆3,200億円)。そのうち直販事業であるNike Direct(ナイキ ダイレクト)の売上は全売上高の約42%を占める46億ドル(約5,570億円)を記録し、為替変動の影響を除いたベースで17%増となった。この結果から、同社が商品を多くの卸売り提携先から引き上げ、直販事業を強化する施策が成功していることが窺える。サプライチェーンの問題から中国での売上は低迷したものの、2021年の年末商戦で北米においてシューズやアパレルが高い売上を記録した模様。売上総利益率は46.6%に増加し、第3四半期の調整後ベースの1株当たりの利益は0.87ドルと、市場予想を上回った。
全体的に好調な業績を達成した一方で、サプライチェーンの問題は未だ改善されておらず、中華圏およびアジア太平洋・中南米市場の売上低迷に影響することに。しかし、〈Nike〉のCFO(最高財務責任者)であるMatt Friend(マット・フレンド)は、現状ではこれらの市場における需要が供給量を大きく上回っていると分析し、健全な市場を形成しているとの見解を主張。また、同社は供給の流れが第4四半期(2022年3月〜5月)には回復すると見込んでおり、今後はアジアでの売上が伸びるだろうと予想している。