元 YEEZY チームのスタッフから Kanye West に対する非難が続出
元スタッフが〈YEEZY〉チームの内部事情をメディアに暴露
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今年10月、数々の問題ある言動によりファッション業界から干されてしまったKanye West(カニエ・ウェスト)改めYe(イェ)。先日、〈adidas(アディダス)〉は〈YEEZY(イージー)〉とのパートナーシップ解消を発表したものの、Yeおよび彼のチームがデザインしていたプロダクトを今後も販売する意向を明らかにした。そして最近になって、Yeの下で働いていた元〈YEEZY〉の関係者たちが、その内部事情を『Rolling Stone』誌に暴露している。
同誌の記事によると、〈YEEZY〉チームの労働環境を一言で表すなら「純粋なカオス」だという。この記事は〈YEEZY〉チームの元スタッフや〈adidas〉〈GAP(ギャップ)〉のコラボレーターなど、Yeと仕事を共にしたことのある人物約20名の証言によって構成されている。Yeは2013年に〈adidas〉とのパートナーシップ契約を結ぶと、既存のファッション・メゾンから優秀な人材を引き抜き、彼の理想を具現化するための“ドリームチーム”として、〈YEEZY〉のデザインチームを結成した。彼は自身のビジョンを明確に持っており、熱心に学び、デザインだけでなく製品の生産工程といった細部にまでこだわることで、クリエイティブなプロセス全体統括していたようだ。初期のスタッフは、Yeがデザインに対して常に考えを変えていたため、〈YEEZY〉のファーストコレクションを完成させるのにおよそ18カ月かかったと明かしている。彼曰く、「それは私の人生(とキャリア)の中で最も多忙で混沌とした経験でした」。
別のスタッフは「彼がやろうとしていることは、すべて既成概念にとらわれないものです。クリエイターとして、彼は最高ですよ。音楽における彼の業績は既に証明済みですけど、他の分野でも仕事のあらゆる部分に同じレベルの実行力と集中力を発揮しています」とYeを高く評価している。そして「Yeは間違いなく常に創造的な人々を自身の周囲においています。それは非常にクールです。彼は人々がいつ、どのタイミングで何を好むのかを察知する鋭い勘を持っていると思います。彼はかなり特殊な方法でそれらを認識することができるんです」と付け加えた。
しかし一方で、Yeに対する不満を露わにする元スタッフも。かつて〈YEEZY〉スニーカーを手掛けていた〈adidas〉のデザイナーは、「日常的なやりとりでの彼の怒りは理不尽で、正直悪夢のようでした。ソーシャルメディア上での彼の態度は、従業員に対する態度と全く同じです」とコメント。さらにスタッフは、1日12時間から15時間労働が当たり前であり、しかもYeの気まぐれな性格とその場しのぎの要求に応えなければならない過酷な労働環境だったと語っている。また、仕事中にDrake(ドレイク)の曲をかけただけで解雇されたスタッフもいたようだ。
2019年に契約社員として働いていた人物は、〈YEEZY〉でのキャリアについて以下のように振り返っている。「あれだけのビジョンを持ち、あれだけの資金を持つ人の下で働けば、本当に信じられないような変化を起こすことができます。しかし、私がYEEZYに在籍していた期間を振り返ると、これまでで最悪の仕事と、最高の仕事の両方が同時進行しているようでした。Yeのやることはすべて、スタッフの時間を掃除機のように吸い取る“巨大な混乱”です。それはただ私たちの人生全体を消費するだけで、アウトプットはどこかの道端に置き去りにされるのです」