HIS が8人乗り気球型カプセルでの宇宙旅行を2022年内に販売開始
機内のバーで軽食や飲み物も提供され、地上と同じように寛ぎながら宇宙を感じ地球を眺めることが可能に
米の宇宙ベンチャー企業「Space Perspective(以下スペース・パースペクティブ)」は、同社が提供する気球型宇宙船 Spaceship Neptune(スペースシップ・ネプチューン)の日本及びカナダでの販売権契約を締結したと発表した。日本の販売権を獲得したのは総合旅行会社の「HIS(エイチ・アイ・エス)」で、年内には販売を開始するとアナウンスされている。
球状のカプセル Neptuneは動力となる燃料に再生可能水素を使い、カーボンニュートラルな方法で地球の果てに行くことができる。最終デザインも公開されており、窓からは360度のパノラマビューを楽しむことができるようだ。この窓には宇宙飛行士のヘルメットと同じような反射膜が施されており、日射量を抑えることでカプセルの温度を低く保つことができるとされている。また、Wi-Fi環境整えられるので自身のデバイスを使用してのライブストリーミングも可能になるという。
飛行時間は合計約6時間で、時速20km/h弱で約2時間かけて上昇し、高度約30キロメートルの高さで約2時間ほど遊覧、そして約2時間で緩やかに降下しながら最終的に海に着水する。着水ポイントでは船が待機しており、それに乗り換えて陸まで向かい、旅行行程が終了となる。
ただし高度約30kmまでなので、いうわゆる“無重力状態”とはならないので、そう聞くと期待外れと思うかも知れない。しかし逆にいうと事前トレーニングなどは不要で、乗客の年齢制限や体重制限もない。搭乗できる乗客最大8名の船内ラウンジは自由に移動が可能で、6時間の旅の間には機内のバーで軽食や飲み物も提供され、地上と同じように寛ぎながら宇宙を感じ、そして地球を眺められるのだ。
宇宙船 Neptuneの製造はすでに始まっており、約6時間の飛行を「Space Perspective」社に直接予約を入れた場合の費用は1人当たり12万5,000ドル(約1790万円)とされている。まだ「HIS」の公式ウェブサイトにはこの宇宙旅行の詳細と価格は公表されていないが、一刻も早いアナウンスが待たれるところだ。